2011年9月27日火曜日

ESWC日本予選 感想と抱負

Starcraft TimesさんにESWC本戦に向けた自分のインタビューがアップされました。こちらと合わせて読んでいただければ幸いです。
9/29 書き間違い修正、メンタル・タフネスという本のリンクも追加しました


ESWC日本予選
試合当日は朝の7時に寝て16時に起床。時間にして9時間。寝すぎである。2時間後に大会が始まってしまうのであまり余裕がない。2時間以内に身体を起こして戦闘モードに入らなければならないわけです。
しかし前日疲労がたまっていたことと常に風邪気味で身体の弱い自分には十分休んでおくのは悪くないとポジティブに捉える。

今日のESWC日本予選の強敵はPSiArc選手。WCGの直接対決で負けている相手なので真っ先に警戒していました。何としても雪辱を果たしたい。

用意していたオーダーは最近のGSLで見たTミラー、MVPKeen vs IMHappy、MVPKeen vs oGsNadaでKeenとsCが使用したFEから1ガス3raxに行くオーダー。
大会であっても一定のレベルに達していなければ自分でオーダーを考えるよりもプロのオーダーを徹底的に研究して真似した方が強いと思う。
2ガスを若干遅らせることでミネラルに余裕があり、スキャンを入れてEbayやバンカーを作れるのでどのオーダーに対しても柔軟に対応できる。
何より1.4パッチでは青ヘリの弱体化が大きい。それを受けてマリーン主体の戦術の有効度が増しているので今大会ではマリーン主体の戦術にしました。

軽くリプレイを見てラダーで練習をしているとESWCの試合時間18:00になる。寝すぎのせいか身体と頭の動きが若干遅い。しかしSC2はアクションゲームであるより先に戦略ゲームです。身体と頭の回転が遅くても理に適っている動きができれば簡単には負けない。逆に頭の働きがゲームとは関係の無い方向に行ってしまうとどんなに回転が速くても無駄です。今大会では終始頭の回転を早めるより純粋にゲームに集中するように気をつけていました。

マリーンドロップの対応にてこずりましたが2-0でPixtar選手に勝利しPSiArc戦に備える。このマリーンドロップの対応は今大会のキーワードで後々苦しめられることになります。

vsPSiArc 勝者側トーナメント
PSiArc選手との最初のBO3の1戦目はFEオーダーの切れ味を試そうとしたものの予想外の3reaperに焦って落とし、
2戦目では今度はこちらがリーパーラッシュを選択する。これはラダーで一回受けたのがベースになっていてFE3raxのアンチオーダーではと思ったのですが細かい部分を忘れていたのとPSiArc選手がFEMechに進んでいたので失敗に終わる。
後半の展開は経験不足もあいまって混乱し、とにかくベースの数を確保することと粘ることだけを考えていた。今大会の最大の勝因はこのゲームを勝ったことだと思う。長期戦の結果はお互いの自信に大きな影響が出る。このゲームを落としていたら敗者側でストレート負けしていたかもしれません。運がよかったと思います。
3戦目はCrevasseという2ndが直接攻撃されない特殊なマップ、マップの特性上ダブルCCの方がいいかと思ったもののオーダーを覚えていなかったのでFEにしました。先ほどの長期戦の影響かPSiArc選手にミスが多く自然に勝った感じでした。

最大の強敵を一度下したものの今大会はダブルイリミネーショントーナメントです。長期戦に勝ったのは大きなプラスでしたが私の動きにも曖昧で危うい部分が多かったのでどうなるかわからない。
勝者側トーナメントで負ければ「ダブルイリミネーションでよかった」と思いますが勝つと「ダブルイリミネーションじゃなければよかった」と思うのですから人の心なんて勝手なものです。

ここで知り合いに「2戦目のMechにタンクはいらない、リプレイ見直した方が良い」と言われて気を引き締める。おそらく日本人プレイヤーに共通する課題だと思いますが、マクロ面の知識が足りていない。知識を少しでも仕入れておこうとPSiArc vs Holonの間に旧パッチのリプレイやFXOpenでやっていたTミラーを見ましたが、どれもMechに行く展開でマリーンタンクの参考にはなりませんでした。

vsPSiArc BO3*2
やはり敗者側を勝ち上がってきたPSiArc選手との2回目のBO3は、相手の繰り出してくるドロップに手が追いつかず面白くない内容になってしまいました。特に2戦目のMetalopolisで必勝形に持ち込んだと思ったら本陣メガドロップの対応を間違えて負けたのはかなり痛かった。どんなに資源があっても生産施設が沈黙して軍が消えると終わることを忘れていたのです。「そんなバカな」と何度も思ったのですが既に遅かった。

ストレート負けしたことで勝者側からの逆転負けの悪寒が走る。お互いにBO3で1-1と互角なのですが、最初リードしていたせいで互角に戻ると一気に自分が不利になったように感じるから不思議なものです。

ここで実況から15分の休憩が入る。この間にリプレイを8倍で見直してお互いの動きの傾向を探る。
スポーツ心理学者ジム・レーヤーの「メンタル・タフネス」という本によるとプロのテニスの試合では途中に入る休憩時間の使い方が勝負を分けるそうです。
実はテニスの試合では選手がグランドを走り回っている時間よりもプレーの合間など動きのゆるやかな休憩時間の方が長いそうです。
強い選手と弱い選手の決定的な違いはその休憩時間の使い方で、強い選手は消耗したエネルギーを回復し自らを鼓舞する能力を身につけているが、一方で弱い選手は休憩時間にエネルギーを消耗したりネガティブになってしまうという。

リプレイを見て、また知り合いに「消極的」と指摘され、身体の動きが追いついていないことに気付いたのでこの休憩時間にはなるべく身体を動かしていました。簡単な体操、キーボードタイピング。特に指を連打するのは頭の回転を早めるのに本当に効果がありました。
この成果が出たのか次のBO3ではPSiArc選手の動きに身体と頭の回転が追いついていたと思います。

抱負
こうしてESWC日本予選で優勝して日本代表になりました。しかし今大会は4人しか参加者がいなかったので日本で一番強いことにはなりません。実際KotHでnazomen選手に負けていますし、TwichCupでkurOa選手に負けています。ランクはマスターでDivisionランクは6-7位程度。

しかし日本代表になった以上は日本代表として恥ずかしくない実力と気概を持ってESWC本戦に臨まなければならないと思います。
私は過去3回世界大会を経験していて、そのすべてがグループ予選落ちです。「負けたけど世界大会の経験になってよかったね」といった甘い考えでは通用しないのは痛いほどわかっているつもりです。「経験になるだろう」程度の気持ちで行くなら最初から出るべきではないでしょう。どんな舞台でも、たとえ国内オンライントーナメントでも国際大会でも勝負事というのは勝たなければ意味が無いものだと思います。

SC2で最も必要な能力は運動神経や合理的な思考力などではなく忍耐力ではないでしょうか。プロのリプレイを細かく研究する、ゲームに集中する、どんなに負けが続いても練習をやめない、そうした忍耐力が最も必要だと思います。
千里の道も一歩から、という言葉がぴったりです。いたずらに身体を動かして進んでいるかわからないというよりは、耐えに耐えて歩みを進める方が結果的には早く到達できます。
いずれにせよ私はそのESWC本戦でもその忍耐力というのを意識して勝ちにいくつもりです。

応援していただいた皆さんありがとうございました。

2 件のコメント :

  1. おー予選突破おめでとうございます!本選でもがんばってください!

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  2. CLAさんありがとうございます!がんばります。

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