2014年5月8日木曜日

[レポート] Hearthstone GWトーナメント! どんなプレイヤーが集まったのか?

 憲法記念日の5月3日、「Hearthstone GWトーナメント」という大会がe-sports SQUARE AKIHABARA(e-SQU)で行われた。こうしたe-SQU主催のHearthstoneイベントは5回目(大会としては3回目)を数えるが、今回は初めての休日開催である。e-SQUの開店は11時、大会開始は13時。私がe-SQUに着いたのは11時よりも少し前で、すでに前回準優勝者のHIRAMAX選手をはじめ多くの参加者が列をなして開店を待っていた。以下、今回の大会レポートである。



写真:会場の様子

目次


練習試合
リーグ表発表
謎のバグ
波乱の決勝トーナメント
決勝戦観戦記
ステージインタビュー
残るは告知の問題のみ

練習試合


 入店してイベントの参加登録を済ませた私は、自分の席に着くとさっそく近くにいた参加者たちを誘って練習試合を行った。大会開始は13時からなので練習時間はたっぷりある。オンラインと違い、対戦相手のリアクションが生で感じられるのがオフラインのおもしろさだ。珍しいSpellを使ったり、強力なMinionを出したときに相手の驚く様子もわかるし、試合後も「私が今使ったデッキについてどう思うか」「あのターンの私の動きは失敗だったか」などと相手の感想をダイレクトに聞けるからゲーム上達にも大いにプラスになる



写真:練習する参加者たちの様子

 途中、食事を注文しに席を立ってバーカウンターに行くと、黄色いパーカーに身を包んでどこか飄々とした雰囲気の漂う男性がいた。LegendaryプレイヤーのTerawakuJP選手である。Legendaryのプレイヤーは一体どんなふうにプレイしているのだろうか? そう興味を持って聞いてみると、TerawakuJP選手は自身の使うAggro Hunterというデッキの考え方を簡潔明瞭に教えてくれた。その話の内容は本サイトでインタビューとして別の記事に掲載している。

参考記事:[Hearthstone]「相手はこちらのMinionを殴るしかないからこちらのHealthは減らず、こちらのMinionで相手を殴り続ける、という展開になります」NAサーバー Season1 Final Rank Legend95位、Aggro Hunter使い、TerawakuJP選手インタビュー



写真:League of Legendsのキャラクター帽を被りHearthstoneをプレイするTerawakuJP選手

 TerawakuJP選手の話を聞いてから会場をちょっと見渡したところ、yusa選手とTyson選手が前回の賞品のTwitchTシャツを着て来場しており、過去のイベントで解説を務めたbreekさんもいた。彼に話を聞くと、今回は選手として参加するとのことだった。



写真:yusa選手



写真:Tyson選手



写真:解説のbreekさんも今回は選手として参加

リーグ表発表


 13時になると予選リーグの組み合わせが発表され、各グループの選手はいったんステージに上げられてからプレイ席へと案内された。今回の定員は40人だったものの、告知が遅かったせいなのか、大会参加者はちょうど半分の20人しかいなかった。



写真:各グループの席順



写真:グループA



写真:グループB(一番左がnemuke)



写真:グループC



写真:グループD

 今回は諸事情でニコニコ生放送などの配信は行われなかったのだが、会場ではいつも通り、隣接する2席のステージ上の対戦が大スクリーンで映され、主にスタッフのSasaさんによって試合が実況された。なお、その2席は私が入ったグループBの席だったから、私の試合も一部スクリーンで放映されることになった。放送試合をプレイする選手に対しては「相手の手札が見えてしまうため後ろを振り向かないこと」と「相手の画面が見えないようにお互いのモニタの角度を変えること」が指示された。



写真:放送試合では2人の選手が並んでプレイするため、お互いのモニタ角度を変えるよう指示された

謎のバグ


 また、前回とルール面で異なるのは、「各グループの上位1名ではなく2名が決勝トーナメントに進出できる」という点である。私が入ったグループBは前回優勝者のyusa選手とLegendプレイヤーのTerawakuJP選手がいて厳しいグループだ。しかし私はレポーターとして2人を取材したから、彼らのプレイスタイルや手持ちデッキを知り尽くしているという強みがある。相性のいいデッキをうまく当てられれば2位で予選グループを通過できるかもしれない。

 今大会で私が使ったのは前回の大会で惨敗したDragon Priestをアレンジしたデッキである。重いShadowformを抜いてみたところ、序盤から後半までの流れが安定した。初戦のSeld選手との試合を15点Mind Blastで(MalygosとそれをコピーしたFaceless Manipulatorによって)なんとか勝利すると、前回優勝者のyusa選手との対戦になった。

 試合では序盤からyusa選手のHandlockのHealthを削っていったものの、次第に攻めが途切れてしまう。ところが、いよいよyusa選手が反撃を開始しようとしたちょうどそのとき、Hearthstoneのクライアントにバグが発生。yusa選手の画面ではすでにカードを使ってEnd Turnを押しているのだが、こちらの画面ではyusa選手の動きが何もなく、いつまでもターンが回ってこない。前例のないこの状況には、大会スタッフの判断で「同じデッキで再試合」という処置が取られることになった。ずっと相手に動きがなく、長考にしても異様に長いからおかしいなとは思っていたのだが、まさかバグだったとは…。



写真:バグ発生の状況。相手がカードを使おうとしたまま反応がない

 再戦となったが、私は結局、yusa選手に破れ、そのままTerawakuJP選手、Kiriya選手にも連敗した。3戦ともに、デッキの問題点が目につく形となった。序盤の安定性のためにデッキの2~3マナMinionを増やした結果、後半に強いカードを引けなくなり、息切れしてしまったのである。やはりどれだけ対戦相手のことを知っていても、ゲームの理解が足りなければ勝てないことに変わりはなかった。



写真:予選リーグ結果

波乱の決勝トーナメント


 予選のグループがすべて終わり、決勝トーナメントにはLivena選手、TerawakuJP選手、GOVRIN選手、USI選手、HIRAMAX選手、yusa選手、Tyson選手、Cross選手が勝ち上がった。このうちHIRAMAX選手、yusa選手、Tyson選手は前回の大会でも決勝トーナメントに進出している。決勝トーナメントの各試合はすべて、勝者が次のゲームで同じHeroを使い続けるBO3形式だ。



写真:決勝トーナメントの組み合わせ

 決勝トーナメントの解説にはStarcraft2やWorld of Tanksなど幅広いゲームをプレイするBactさんが呼ばれた。今回は選手たちの防音環境がないため、解説でも手札に触れることはできなかったのだが、その前提で「解説に向けて話せるネタを仕込んでおいた」というBactさんは試合中の動きのない時間にWarcraftの世界観やデッキのトレンドを語り、会場を大いに盛り上げていった。



写真:左から解説のBactさん、実況のSasaさんとeyesさん

 決勝トーナメント初戦の放送試合は前回の決勝戦と同じ顔合わせであるyusa選手対HIRAMAX選手の対戦になった。これはDruidを選んだyusa選手が2試合ともに3体のCharge Treantを場に出すSpell、Force of Natureで一気に勝負を決めて勝利。初戦のほかの試合はCross選手、GOVRIN選手、Livena選手がそれぞれ勝ち上がった。



写真:試合するHIRAMAX選手(左)とyusa選手(右)

 続く準決勝では前回優勝者のyusa選手がCross選手に敗れるという波乱が起こる。Watcher Druidを使ったCross選手は「2ターン目Ancient Watcher、3ターン目Keeper of the GroveのSilenceをAncient Watcherにかけて殴る」という、理想的な動きができる手札を2試合連続で引き当てたのだ。運悪く負けてしまったyusa選手は「マッチアップはHandlockのほうが有利だったんですが、あの動きをされるとさすがに厳しいですね」と苦笑していた。

決勝戦観戦記


 決勝戦はたまたま日頃よくHearthstoneをプレイしているGOVRIN選手とCross選手の対戦となった。Cross選手は前日、GOVRIN選手からこの大会のことを知らされて急遽参加することになったのだ。その2人がこうして決勝戦で相まみえることになったのだから、奇遇というか、不思議なものである。



写真:決勝を争うCross選手(手前)とGOVRIN選手(奥)

第1試合 Hunter(Cross) vs Hunter(GOVRIN)
 Midrange Hunter対決となった決勝戦第1試合では、Cross選手が後攻第1ターンから観客の度肝を抜いた。なんとコインを使っていきなりStarving Buzzardを出していったのである。Starving Buzzardは味方のBeastが場に出るたびにカードをドローするから、後半減った手札を一気に補充できる、Hunterの虎の子とも言えるMinionである。中でも相手のMinionの数だけ場にBeastを出すUnleash the Houndsとのコンボは悪名高い。
 そんな重要なMinionを最初に出すというのは、除去されるリスクを考えるとなかなかできない動きである。しかし、GOVRIN選手はそのときStarving Buzzardを除去する術を持っておらず、Cross選手は順当にカードをドローしていく。その結果、Cross選手は手札・盤面共にGOVRIN選手を圧倒する形になり、第1試合を勝利した。(Cross 1-0 GOVRIN)



写真:手札・盤面共にGOVRIN選手を圧倒するCross選手(下)

第2試合 Hunter(Cross) vs Warlock(GOVRIN)
 第2試合でGOVRIN選手はAggro Warlockを選択し、序盤から1マナ2/1のYoung Priestessを出していった。対するCross選手も2マナ2/3のRiver Crocoliskを場に出して応戦する。River CrocoliskはHealthが3あってZoo Warlockがよく使う低コストのMinionに一方的に勝てるから、Zoo Warlockと相性が良いMinionだ。
 しかし、その後のターンのGOVRIN選手の動きがおかしい。Zoo Warlockは本来、序盤からMinionを展開していくデッキなのだが、後続のMinionがなかなか出てこない。見るとGOVRIN選手の手札には4マナのDefender of Argusや5マナのDoom Guardといった重いカードでいっぱいで、思うようにMinionを展開できないようだ。Cross選手はその隙を逃さず、Minionを次々と展開して盤面を圧倒。最後は大成長したScavenging Hyenaによって16点の大打撃を与え、Hearthstone GWトーナメント優勝の栄光を勝ち取ったのだった。



写真:16点のダメージでCross選手が勝利を決めた瞬間

ステージインタビュー


 試合が終わると、ステージ上でベスト4から優勝の選手(Livena選手、yusa選手、GOVRIN選手、Cross選手)に賞品としてBlizzardから提供されたHearthstoneのカードパックが贈られ、続いて各選手へのインタビューが行われた。

 その中でCross選手は「優勝できるとは思っていませんでした。運に味方されたと思います」とコメント。一方GOVRIN選手は「今回の大会はカードがなかったので、HunterとWarlockしか使えませんでした。次回はいろいろなHeroでデッキを組んで臨みたいと思います」と次回への雪辱を期していた。
 なお、Cross選手の優勝者インタビューも本サイトで別に記事として掲載している。
参考記事:[Hearthstone] 「カードの引きに恵まれた」 Hearthstone GWトーナメント優勝Cross選手



写真:決勝戦後のステージインタビューの様子(左からLivena選手、yusa選手、GOVRIN選手、Cross選手、スタッフのSasaさん)

 そして、解説のBactさんが「(Zooなどの主流のデッキが多かった印象ですが)、今後自分でアレンジを加えていかないと、オフライン大会で勝ちきれなくなることも出てくると思うので、これからのプレイヤーの皆さんの試行錯誤に期待しています」と言って今大会の感想および次回への期待を述べた後、最後にスタッフのSasaさんが「次回のHearthstoneイベントで会いましょう!」と言って、Hearthstone GWトーナメントを締めくくった。

残るは告知の問題のみ


 これにてe-SQUの第5回のHearthstoneイベントが終了となったわけだが、今回の進行も終始スムーズであり、大会終了も予定時刻の20時より大幅に早い18時頃だった。これだけスムーズなら、多少時間はかかってしまうものの、予選リーグをBO3にする、決勝戦をBO5にするといった、より本格的な形式の大会も期待できそうだ。

 ただ、今回特に目立った問題点は「告知の遅さ」である。実を言うと私が今大会の開催を知ったのは前日の5月2日23時で、ほかの参加者たちも告知が遅すぎると口を揃えていた。結果、土日の開催にもかかわらず、40人の定員が半数しか埋まらなかったのだろう。見たところe-SQUはほかにも多くのイベントを抱えているようであり、その意味では日時を早い段階で決められないというのも喜ばしいことだと思うのだが、「大会の直前の告知」となると、参加したい人もなかなか参加できないし、運営側にとっても急なイベント開催では準備不足になりやすいだろう。土日開催の場合、参加者としてもほかの予定との兼ね合いからせめて1週間前には告知を出してもらえると、都合を合わせやすいのではないだろうか。



写真:集まって談笑する参加者の様子

 しかし、「告知が遅かったせいで20人しか来なかった」ということは、裏を返せば「告知が遅くても20人来る」ということだから、前もってしっかり告知すれば多くの参加者が期待できるに違いない。日本のHearthstoneはまだまだ大きく盛り上がる可能性を秘めていると思うから、今回は定員割れしたけれども、告知が早ければ休日に40人規模のHearthstone大会を開催するのもそう難しくないはずだ。私としてもそんな大型大会をぜひレポートしたいものである。

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