2014年6月23日月曜日

「自分が参加したいイベントは自分で開くのが一番早い」ゆるHearthstone会主催者Shinzakiさんインタビュー

 6月14日に東京・目黒区緑ヶ丘文化会館で開催された「第二回ゆるHearthstone会」には27名の参加者が自分のタブレットやノートPCでHearthstoneの対戦会に興じました。

 このゆるHearthstone会の主催者がShinzakiさん。システムエンジニアとして金融関係の仕事をする傍ら、各種ゲームのオフラインイベントを開催したり、レトロゲームや日常に関するブログ不倒城を更新したりしているほか、日本ファルコムのゲーム音楽を主に演奏するバンドOSCERIANにも所属して活躍しています。

 ネット環境のない文化会館でShinzakiさんがゆるHearthstone会のようなイベントを始めようと思ったきっかけは何だったのでしょうか。今回、リミテッド対戦会前の休憩時間を利用してShinzakiさんにインタビューしました。


写真:ゆるHearthstone会主催者のShinzakiさん

目次


これまでのゲームとのかかわり
ゲームイベントの開催を始めたきっかけ
ゆるHearthstone会の運営について



これまでのゲームとのかかわり


……ShinzakiさんがHearthstoneを始めたのは何がきっかけだったのでしょうか?
 元々はレトロゲームのプレイヤーなのですが、Hearthstoneは(ゆるドミニオン会*1 などで知り合った)ルネさん*2 に薦められて始めました。 やるゲームが一通り落ち着いたタイミングがありまして、「次何やろうかな」と思っていたらルネさんがTwitterで「Hearthstoneやりましょう」とド直球で声をかけてきたんです。

 ゆるドミニオン会ではドミニオンだけでなく、カードゲームもいろいろとやっていたので、ルネさんを含め周りの皆も、「Hearthstoneのようなゲームはきっと好きだろう」と、私のゲームの好みを知っているんですよね。

……ゆるドミニオン会ではドミニオン以外のゲームも多くプレイされているわけですね。
 むしろゆるドミニオン会はドミニオンをやっている人のほうが少ないくらいですね。もちろんドミニオンをやっているときもあるんですが、場合によっては皆が違うゲームをやっていて、「これ何の会だっけ」と思うことがあります。

*1 ゆるドミニオン会:緑ヶ丘文化会館に集まってボードゲーム「ドミニオン」を始めとしたアナログゲームをゆるゆると遊ぶ会。前回は2014年3月15日に第22回が緑ヶ丘文化会館で開催され、総勢48人が参加した。
参考記事:第22回ゆるドミニオン会開催のお知らせ
*2 ルネさん:ドミニオンの2011年世界大会チャンピオンであり、Hearthstoneの国内トッププレイヤー。レジェンダリーに到達。現在はHearthstoneで世界を目指す国内チーム「Never Say Never」に所属してプレイしている。
ルネさんのブログ:私が町長です

……Shinzakiさんはご自身のブログ「不倒城」の更新を9年以上続けられていますが、そのモチベーションはどこから来ているのでしょうか。
 毎日更新するタイプではないので、基本的には「そのときに書きたいと思ったものしか書かない」という感じで、自分がおもしろそうだと思ったことだけ書いています。なので、「この記事を書けば読者の方からたくさん反響が来るだろう」といった動機では書かないですね。それをなんだかんだで9年間続けてきたという感じです。


スクリーンショット:Shinzakiさんのブログ「不倒城」にはゲームから日常に関する様々な記事が掲載されている

……お子さんがドミニオンで算数を覚えたというブログの記事*3 がとてもおもしろかったのですが、お子さんと一緒にHearthstoneをプレイする予定はあるのでしょうか?
 ええ、実はもうCOM戦をやっています。対人はまだ早いだろうと思って相手がCOMのPracticeをやらせたところゲームのルールを覚えまして、私がやっているのを見ると「パパ、コンピューターとあのゲームやりたい」というふうに言ってくるようになりました。デッキはAggro Hunterばっかり使っていますね。

 ドミニオンは私よりも強いかもしれません。ドミニオンは子供でもできるみたいですし、(ゲーム中頻繁に足し算・引き算の計算をする必要があるので)算数の勉強にもいいと思います。Hearthstoneもそういった意味で勉強になるかもしれませんね。
*3 参考記事(不倒城):ドミニオンが初歩の算数習得とか、初等教育に有用なんじゃないかという話(2013年3月28日の記事)

ゲームイベントの開催を始めたきっかけ


……Shinzakiさんは今回のイベントのほかに「ゆるドミニオン会」などのイベントも主催されていますが、こういったイベントを開催しようと思ったのは何がきっかけだったのでしょうか?

 (こうしたイベントを開催する)自分の思いには「自分が参加したいイベントは誰かが開いてくれるのを待つよりも自分で開いたほうが早い」というのがあります。休日に予定が入ってしまうことが多くて、なかなかほかのイベントに参加することができなかったんですよ。そこで自分が主催すれば時間や場所も全部自分の都合で決められる(笑)。この会場も自宅から近いですし、今日も自転車で来ています。

 (評判を聞いていて)ドミニオンはおもしろそうだと思ったのですが、ドミニオン自体を持っていなかったんですよ。だから、「そのイベントを開催すれば誰かが持ってきてくれるんじゃないだろうか」ということで、ゆるドミニオン会を開催したんです。「ゆるドミニオン会やるから誰か持ってきてください!」という感じ(笑)。結果、第1回では主催者なのに参加者の方から基本的なルールのインストラクチャーを受けながらやりました(笑)。以来約4年間、不定期に開催を続けています。
 ほかにも(自分でやりたいと思って)たとえば麻雀会や3DSゲームの「ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会」を遊ぶ会もやったことがありますね。

……「自分が参加したい」というのがイベントを開く一番の動機になっているんですね。しかし、イベントを開催する、特に緑ヶ丘文化会館のような市民館を借りるのは敷居が高くありませんでしたか?
 どうなんでしょう。文化会館を借りるのに慣れていなかったり、なかなか人が集められなかったりすると、最初は大変かもしれませんね。
 私の場合は「ネット上で人を集める」というタイプのイベントはゆるドミニオン会が初めてだったのですが、昔から音楽活動で市民館を使った練習やコンサートなどはやっていましたから、それによってイベント開催のノウハウを蓄積することができました。
 (参加してくれそうな人に)どういうふうに声をかけるかとか、多くの人たちにどういうふうにイベントのことを知ってもらうか、イベント進行中の参加者の管理をどうするか、といった運営方法は大体同じですから。

……ゆるHearthstone会を開催する上で参考にしたイベントはあるのでしょうか?
 スイスドロー形式といった基本的なアイデアはゆるドミニオン会から持ってきていますね。木曜ドミニオン会*4 など、ほかのアナログゲームの会にも参加したことがあるので、それを参考にしている部分はあるかもしれません。


写真:大会進行の音頭を取るShinzakiさん

*4 木曜ドミニオン会:毎週木曜の夜にアナログゲーム店の「ゲームスペース柏木」で開催されるドミニオンを楽しむ会で、初心者から世界大会優勝者まで幅広い層が毎回20人以上参加している。2011年~2013年のドミニオン世界大会では日本人が優勝2回、準優勝1回という結果を出しているが、3人とも木曜ドミニオン会に集まるプレイヤーだった。ドミニオンの国内レベルはとても高く、世界大会で優勝した選手の1人は「世界大会で勝つよりも日本予選を勝つほうが難しい」と言っている。
木曜ドミニオン会公式ブログ:ドミニオン:木曜会
参考記事(Table Games in the World):第3回ドミニオン世界選手権、日本代表準優勝(2013年の記事)
参考記事(4gamer)「ドミニオン」世界王者を2年連続で輩出する「ドミニオン木曜会」とは一体なんなのか。その強さの秘密を解き明かす,潜入レポートを掲載(2012年の記事)
参考記事(はてなニュース):第2回「ドミニオン」世界選手権、日本代表が連覇 “木ドミ”勢の強さ見せつける(2012年の記事)

ゆるHearthstone会の運営について


……前回のイベントを運営されてみていかがでしたか?
 皆さんのおかげで想像以上にうまくいったので、「これはいけそうだ」と思いましたね。
 Hearthstoneはボードゲームと違ってオンラインゲームじゃないですか。そういったオンラインゲームを皆と顔を突き合わせてやるというのは初めての経験でしたし、対戦に十分なネット環境を作れるかという懸念もあって「うまくいくのかな」と心配だったんですが、結果的には皆さんに楽しんでいただけてよかったです。

 実は「オンラインで対戦できるゲームだったらオフラインでやるメリットはそんなにないかな」と思っていた部分もあったんですが、実際にやってみると私自身もすごく楽しかったですね。


写真:今回のゆるHearthstone会ではネット環境を強化するために業者からレンタルした2個のWifiを用意
参考記事(kakaku.com):国内用Wi-Fiレンタル比較

……「Legendaryカード使用禁止」という今回のリミテッド対戦会のレギュレーションはどのようにして決められたのでしょうか?
 なんだかんだで(初心者が)Legendary山盛りのデッキと対戦すると差がついてしまいますから、「始めたばかりの人でもカード資産差を感じないで楽しめる形式にしたい」と考えたのがリミテッドにしたきっかけです。
 ただ、前回は皆さんの使用HeroがMageとWarlockばかりになってしまいましたから、「Epic以上のカードと各HeroのRareカード使用禁止」というレギュレーションは少し強すぎたかなと思いました。
 そこで「ではLegendaryだけ禁止にしてみたらどうなるか」と考えて今回のレギュレーションにしたんです。今日どんなふうになるのかはちょっとわかりませんが*5 、いろいろと試していきたいと思います。
*5 この模様はレポート記事を参照

……前回参加したときはリミテッド対戦会がスイスドロー形式*6 で進行していたのも印象的でした。
 スイスドロー形式はゆるドミニオン会をやっていたときに別の方から教えていただいた方法なんです。スイスドローの良さは負けたプレイヤーも最後まで対戦できるところですね。初心者さんは初心者さんになりに、上手い人は上手い人なりに楽しめる形式だと思います。リーグ戦だと時間がかかりすぎてしまいますからね。

*6 スイスドロー形式:勝利数が同数のプレイヤー同士で対戦を組んでいく総当り戦。全勝者が1人となった時点で終了するため、同じ総当り戦でもリーグ戦形式に比べて所要時間が少なくて済む。
参考記事(ニコニコ大百科):スイスドローとは
大会が盛り上がりますね。
Nemukejp内関連記事:5月10日に開催された「ゆるHearthstone会」、国内初のリミテッド対戦会、そしてマリガン検討会の内容とは?

……一方でスイスドロー形式はほかの形式に比べて大会開始時点で各選手の対戦順が決まっていないため、運営がラウンドごとに参加者の対戦順を組み直さなければいけない手間があります。その点は大変ではないでしょうか?
 あ、そういう考え方もあるんですね。ゆるドミニオン会で慣れてしまったせいか、考えたことがありませんでした(笑)。最初はほかの方に手伝ってもらっていたんですが、慣れてからは自分1人で回せるようになって楽になりましたね。ほかの形式もやったことはあるんですが、運営が簡単で私自身やっていて楽しいのはスイスドローですね。

……プレイヤーの手札を公開してプレイするという「マリガン討論会」が前回とても新鮮でしたが、このアイデアはどのようにして思いついたのでしょうか。
 「対面でやるからには対面でしかできないことがやりたいな」と思ってやってみたんです。お互いの手札を公開していろいろと話し合いながらやれば(ゲームの理解などを)深められるんじゃないかと思いまして。結果はすごく面白かったですね。今日も時間があればやってみたいと思います。


写真:マリガン検討会の様子

……今回の開催ではチーム戦の予定もあるということでしたが、やるとすればどんなことを?
 「リミテッド対戦会の順位で上位と下位の2人でコンビを組んでもらい、BO3形式の対戦を行う」ということを考えています。チームの1人が通常のBO3のデッキ1つに値するという感じですね。今日できる時間があるかどうかはわかりませんが、こういう形式の対戦もやってみるとおもしろいんじゃないかと思います。

……本日はどうもありがとうございました。

 インタビューの中で最も印象に残ったのは「自分が参加したいイベントは自分で開いたほうが早い」という言葉でした。自分で準備をすべてやらなければいけないという手間はあるのですが、その代わりに場所や時間、イベント内容などはすべて自分の都合のいいように決められるのは大きなメリットです。

 また、Hearthstoneはほかのデジタルゲームに比べて市民館での開催がやりやすいゲームと言えるでしょう。Starcraft2やLeague of Legendsなどアクション要素があるゲームは高速なネット環境と一定水準の性能を持つPCに加えてゲーミングマウスなど各種デバイスが必要なので、ネットカフェやe-sports SQAURE AKIHABARAのように機材が揃った場所でないと開催が難しいのですが、Hearthstoneならアクション要素が無いのでネット環境やPCの性能を気にしなくてよく、市民館を利用した開催も十分可能なのです。

 市民館の利用は場所によって「施設が開いていればいつでも電話で予約できる」「使用日の4ヶ月前から予約が必要」といった手続きの仕方や利用料金が異なっていますが、たとえば5月10日にゆるHearthstone会が開催された緑ヶ丘文化会館ならネットで予約でき、「第二研修室」の利用であれば一般の団体は4100円で午前9時~午後9時まで使用することができます(定員16人で1人当たり300円程度)。
参考リンク(目黒区の公式サイト):緑が丘文化会館 施設のご案内

Shinzakiさんの関連リンク
Twitter:@shinzaki
ブログ:不倒城
所属バンド公式サイト:【公式】オッサリアン|OSCERIAN official web site

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