2014年7月3日木曜日

ゲーム持込カジュアルイベント「ゲーマーズラウンジ #58」レポート Hearthstoneの対戦会も開催!

 6月28日にゲーム持込カジュアルイベント「ゲーマーズラウンジ #58」がインターネットカフェの「Wip代々木北口駅前店」で開催されました。9年の歴史を持つこのイベントには毎回、30~40名の参加者が自分の好きなゲームを持ち寄って集まります。私もタブレットを持参し、ほかのHearthstoneプレイヤーを誘ってHearthstoneの対戦会を開きました。その模様をお伝えします。

目次
 ・ビリヤード台でのプレイ
 ・BO3対戦会開始
 ・プレイヤー同士の交流
 ・BO3対戦会終了
 ・アナログの楽しさ
 ・新規層へのアプローチ

ビリヤード台でのプレイ


 同店でのゲーマーズラウンジではいつも地下イベントスペース(普段はビリヤードやダーツで使用されている)が会場です。参加者は、シートを被せた大きな2台のビリヤード台の上にボードゲームやPS3などのゲーム機を置いてプレイするのですが、たとえばストリートファイターIVなどの格闘ゲームの対戦を大型モニタに映し出したりもしています。今回は片方のビリヤード台を私が呼びかけたHearthstoneBO3対戦会のために使わせてもらいあました。

 私はイベント開始の15時に受付で参加費2000円を払った後、自分のタブレットを広げてスイスドローのスコア集計シートや参加者名簿一覧などBO3対戦会で使う小道具を準備しました。BO3対戦会の参加者がシェアできるように会場の無線LAN名とパスワードをA4の紙にメモしていると、ゲーマーズラウンジ常連やHearthstoneプレイヤーの人たちが会場に集まってきて周りがしだいに賑やかになってきました。

 会場に来たプレイヤーはネットに接続できた人同士で順に対戦を始めていったのですが、対戦者にはBO3対戦会の参加者ばかりでなく、「Hearthstoneはあまり知らないけど興味がある」というゲーマーズラウンジ参加者もいました。興味があるのに普段なかなかできないゲームでも気軽に触れられるのがこのゲーマーズラウンジの大きな魅力でしょう。

ゲーマーズラウンジではシートを張ったビリヤード台に機材を広げる
私の持ち込んだタブレットとBluetoothのデバイス
会場奥のストリートファイターIV
レトロなゲームも登場
もう片方のビリヤード台ではボードゲームがプレイされていた

BO3対戦会開始


 「参加者11名全員が集まるのかな」とちょっと心配でしたが、開始予定の16時には全員が揃い、スムーズに対戦会を始めることができました。
 BO3対戦会のルールは「各プレイヤーが3Hero3デッキを用意するBO3形式のスイスドロー・残りヘルス量をタイブレイカーとして使用」というものです。参加者数が奇数なので各ラウンドで1人の不戦勝が出ますが、この場合の残りヘルス量の扱いは30点として計算し、2回戦目からは最下位の成績の人を不戦勝とすることにしました。
 2Hero2デッキではなく3Hero3デッキとしたのは選択肢が増えることでデッキ選択の運要素が少なくなるという配慮からです。2Hero2デッキだと選択肢が少ないため、「相手のデッキの片方には強いが、もう片方には不利」といった二者択一の状況が起こりやすくなります。

 結果集計には用意したスコア集計シートを使いました。これはShinzakiさんがゆるHearthstone会で使っていたスコア集計シートを参考に作成したものです。これを参加者1人ひとりに渡し、試合が終わるたびにスコアを記入して戻してもらいます。全試合終了後にスコア集計シートを成績順に並べ、近い参加者同士で次のラウンドの対戦を組むというわけです。
 なお、スコア集計シートはGoogleスプレッドシートで公開してありますので、「スイスドローの大会をやってみようかな」というときは自由に使っていただいてかまいません。

スイスドロー対戦会のために用意したスコア集計シート(クリックでGoogleスプレッドシートへジャンプ)
スコア集計シートを成績順に並べ、次の対戦の組み合わせを決定







対戦会進行の様子

プレイヤー同士の交流


 BO3対戦会にはNoaさんやyusaさんといったオフラインイベント常連のほか、「こういったイベントは初めて」という人も来ていました。
 「ほかの人のプレイを見ているだけでもおもしろいですね」と言うのは、カナダで日本人の家庭に生まれ育ったというkojaxsさん。英語と日本語のバイリンガルなので現在は翻訳の仕事をしています。もともとはStarCraftのファンだったが今はHearthstoneを週に5時間ほどプレイしているとか。

kojaxsさん

 プロ野球の東京ヤクルトスワローズのファンでもあるkojaxsさんは4人のメンバーと共に外国人向けの東京ヤクルトスワローズの情報サイト「tsubamegun」を運営し、プロ野球観戦ガイド試合レポートコラムを英語で掲載しています。
 基本的にこのサイトでの収入はなく、メンバーの皆さんはボランティアだそうですが、忙しい中も「1人当たり週に1回レポート」を書いてサイトの更新量を確保しているとのこと。kojaxsさんは土日をプロ野球観戦およびレポートに費やすことが多かったため、なかなかHearthstoneの国内イベントには参加できなかったそうです。
 いずれにせよ、kojaxsさんのような「日本の情報を外国に伝える活動」はとても貴重だと思います。
 経済大国でかつアニメなどの独特な文化を持っているので、じつは日本は世界でも一目置かれた存在なのです。私も以前、パリで開かれたStarCraft IIの世界大会に選手として参加したとき、試合では全然勝てなかったにもかかわらず、日本人というだけで現地のマスコミの取材を多く受けて、世界での日本の存在感の大きさを実感したのでした。
 また、私は自分のサイトの記事を英語に翻訳して海外サイトに投稿することがありますが、それを読んだ海外の人たちから「以前から日本の動向が気になっていた」という反応をよくもらいます。だから、ゲームやスポーツでも「日本は一体どんな動きをしているんだろう?」と興味を持つ外国人は多いのです。日本からネットを通じて海外に情報を発信する人がいないと、それを伝えることができませんから、結果として日本国内の何倍も何十倍も多い海外のゲームファンやスポーツファンにアピールするチャンスを失ってしまうことになります。
 それに日本のゲームやスポーツの情報がネットを通じて恒常的に外国に流れていけば「今度、日本に行ってみよう」という人も増えるでしょうから、それが国内のゲーム業界やスポーツ業界だけでなく多くの業界に恩恵を与えることになるはずです。kojaxsさん達のサイトtsubamegunを見て、改めてそのことを強く感じました。
写真:外国人向け東京ヤクルトスワローズ情報サイト「tsubamegun」のホームページ(左)と明治神宮野球場観戦の仕方(右)


イベントではプレイヤー同士の交流も盛んだった

 なお、午後5時からはフードのオーダーとアルコール類の販売もスタート。ゲーマーズラウンジはWip代々木北口駅前店の上にある居酒屋「千年の宴 代々木北口駅前店」と提携しており、居酒屋の料理を味わうことができます。

受付に並ぶアルコール類

BO3対戦会終了


 スイスドローの3回戦終了時点ではtysonさんとyusaさんが全勝の3-0で並んでいたため、BO1の優勝決定戦を行ないました。


決勝戦を対戦するtysonさん(上)とyusaさん(下)

 これにはtysonさんがMiracle RogueでyusaさんのAggro Hunterを封じ、BO3対戦会の優勝に輝きました。なお、BO3対戦会の最終順位表とベスト3プレイヤーへのインタビューは別個に記事をアップしています。

参考記事:
「ゲーマーズラウンジ #58」で行ったHearthstoneのBO3対戦会の順位と雑感
「ゲーマーズラウンジ #58」内HearthstoneBO3対戦会ベスト3プレイヤーインタビュー

 午後5時半にはBO3対戦会の試合がすべて終了し、以降は各自Hearthstoneのフリー対戦や戦術討論に興じたり、ほかの参加者が持ち込んだボードゲームや格闘ゲームをプレイしていました。

BO3対戦会参加者のやよさんの持ち寄ったドラフト式カードバトルゲーム「Dragon's Stone」をプレイするzeroさん(左)とyusaさん(右)
参考記事(Power9Games):ドラフト式カードバトル[Dragon's Stone]
Dragon's Stoneのプレイ動画


アナログの楽しさ


 今回、私は以前ゲーマーズラウンジでMagic: The Gathering(MTG)の世界について詳細に教えてくれたYatさんとも遭遇。Yatさんはポーカーセットを引っ提げて参加し、会場のビリヤード台の上でポーカーのルールの1つ「テキサス・ホールデム」をプレイしていました。

 ポーカーといえば、プレイヤーがカジノでチップを何十枚も積んだ山をテーブル中央に押し出して賭け金を表す様子が思い浮かびます。販売価格1万~3万円と値は張るものの、カジノでプレイする感覚を自宅などで体験できるのがポーカーセットです。

Yatさん持参のポーカーセット

 Yatさんは「安物はチップが軽くて質感がないのですが、この製品はチップが種類ごとに異なる材質で作られていて高級感があります。これを全部ケースにしまうと結構重いんですよ」と言うので、私も実際にそのケースを持ってみましたが…重い! ダンベルを持っているような、ずっしりとした重みが腕にくる感覚です。Yatさんのものと似たポーカーセットをネットで見てみたのですが、こちらはアルミケースの4kgに加えて1.35gのチップ300枚で約4kg、合計8kgでした。これは持って移動するだけでも大変ですね。
参考リンク(トランプ・カジノ専門店「モンテカルロ」):フォースポット・ポーカーセット300 -シルバー・チップセット

ポーカーセットのケースを持ち上げたところ
蛇腹のように互い違いに重ねたチップ。Yatさん曰く「プロのプレイヤーはこうやってチップの塔をずらして、それをまた元の塔の形に戻す、という作業をプレイの待ち時間に片手でやってたりします」とのこと

 アナログゲームは高級な製品を使えばゲームにより愛着が持てそうな気がします。上達という現象を認知心理学や学習心理学などをベースに科学的に分析した『上達の法則』(岡本幸一著、PHP新書、2002年)でも第6章「上級者になる特訓法」で自我関与(対象が自分にとって重要だと感じる度合い)を高めるために「少し高い買い物をする」という方法が紹介されていました。

”将棋や碁では、技量は道具に関係ない。それでも、よい盤駒は、打ち味などがよく、対局相手なしで1人で練習する場合でも、その楽しさに微妙な影響がある。そういうことは存外に大きいと思う。
よい道具は当然ながら値段が高い。けれどもその高い値段を出すことが、目に見えない形で自我関与を高め、打ち込む姿勢を支えてくれたりする可能性も否定できない。自我関与を自身で高めるひとつの手段として、妥当な範囲で少しは贅沢を楽しむのが、上達のためにはよいと思われる。”『上達の法則』219ページ

 Hearthstoneはデジタルゲームなので実物はありませんが、「自我関与を高める」という意味であれば「お金を払ってカードを購入・アリーナをプレイする」「オフラインイベントや大会に出てみる」「時間を割いてサイトを運営したりブログを書いてみる」といった方法がありそうです。私がこうしてレポートを書いている動機の1つにも、「別の視点からゲームに触れることでその魅力を再発見できるので、結果としてゲームがより楽しく感じられるようになる」ということがあります。

新規層へのアプローチ


 MTGの歴史に詳しい人も来ていて、近年のMTGのマーケティング手法に関する話も聞けました。中でも印象的だったのは新規プレイヤーを獲得するために作られたMTGのデジタルゲームで今年7月中旬発売予定の「マジック2015 — デュエルズ・オブ・ザ・プレインズウォーカーズ(マジック2015)」。

 このシリーズは2009年に第1作(PC版日本語ローカライズは第3作目から)が作られて以来、毎年6~7月に基本セットと同時期に発売されています。新規の収録カードを減らし、複雑なルール処理をソフト側で処理してくれるため、MTG初心者がルールを覚えるのに最適なものになっていると言えるでしょう。
 しかも、新規の収録カードが少ないとはいえ全体のカード収録数は300枚以上あること、またオンラインで世界中のプレイヤーと対戦できることで、MTGの「デッキを構築して対戦する」という基本的な楽しさを味わうことができます。
 マーケティングの狙いとしては「このシリーズでMTGに親しんでもらい、もし収録カード数などに物足りなさを感じてきたら実物に手を出してもらう」というわけです。地域コミュニティに参加しやすくなるよう、購入者には実店舗でプロモーション用ブースターパック等がもらえる特典もついてきます。
 アメリカ本土ではこうした手法が功を奏し、MTGの新規プレイヤー層を増やすことにつながったとのことです。

 このシリーズは日本語ローカライズもされているのですが、今回は国内ユーザーに積極的にアプローチするために、ニコニコ超会議3にゲームを出展したり、『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』でアナキン・スカイウォーカーを演じた声優の浪川大輔氏をゲーム内キャラクターの声優に起用したり、といった話題作りも行なっています。
参考記事(週間アスキーPLUS):TCG入門に最適 iPadでも遊べる『マジック2015 — デュエルズ・オブ・ザ・プレインズウォーカーズ』:E3 2014
参考記事(電撃オンライン):浪川大輔さんがジェイスの声を担当! 『マジック2015 ― デュエルズ・オブ・ザ・プレインズウォーカーズ』でプレイヤーに助言を【E3 2014】

 MTGなどアナログのカードゲームはルールを自分で処理しなければいけない点が、おもしろい反面、取っ付きにくさにもつながっていたのですが、デジタル化はその解消のためでもあったということでしょう。 これをデジタルで解決する流れはおもしろいですね。MTGの手法が成功を続けていけば、今後「デジタルで入ってアナログに行く」という流れも増していくのではないでしょうか。
 最初からデジタルのHearthstoneはMTGに比べて(相手ターンに行動できないなど)ルールが単純なのでゲーム自体は簡単なのですが、日本語ローカライズされていないのが最大の弱点です。しかし、こればかりはBlizzardが日本に進出していないので厳しいところ。したがって、ユーザーとしてHearthstoneの発展に貢献できることがあるとすれば、まずはガイド記事を翻訳したり、オフラインのイベントを開いたりすることだと思います。

 会場にはMTGの漫画「マジック:ザ・ギャザリング マジック学園生徒会」も持ち込まれていました。「ぼくと付き合って(デュエルして)ください!」という台詞で始まるこの漫画、いろいろと突っ込みどころが多いのですが、このように「ストーリー仕立てでゲームを紹介する」というのは昔から有効な方法でしょう。Hearthstoneでは今後実装されるアドベンチャーモード「Curse of Naxxramas」が近い役割を果たすことになるかもしれません。

参考(MTG日本公式サイト):コミック『マジック:ザ・ギャザリング マジック学園生徒会』 無料公開中!

 ゲーマーズラウンジではいろいろなゲームに触れていると時間を忘れてしまいます。今回もあっという間に閉場時間の22時となりました。それでも会場の皆さんはまだまだ残ってゲームを続けていたい様子だったのですが、最後にゲーマーズラウンジスタッフがスケッチブックを取り出して、残っていた参加者たちでそれに参加記念の言葉等を書き込んだ後、お開きとなった次第です。
 この記事を書いていて、私のサイトURLを書いてくれた人がいたことに気付きました(笑)。ありがとうございます。
スケッチブックの描き込み

最後はHearthstone会の参加者たちで写真撮影

 ゲーマーズラウンジは毎月の最終土曜日に開催される予定で、次回は7月26日の開催になります。次回もぜひHearthstone関係で参加したいですね。
関連記事:[レポート] 4月12日に開催されたゲーマーズラウンジ #56に、私nemukeも参加。いったいどんな世界が広がっていたのか?

0 件のコメント :

コメントを投稿