2014年7月9日水曜日

「本戦では真剣に賞金を取りに行きます」IEM Season9-Shenzhen日本代表tyson選手

 7月16日~20日に中国・深センで開催される世界大会「IEM Season9-Shenzhen」の国内予選「IEM出場決定戦」を勝ち抜き、日本代表の座を獲得したtyson選手のインタビューです。


 IEM Season9-Shenzhen日本代表のtyson選手(5月3日のe-sports SQUARE AKIHABARAGWガチオフトーナメントの写真より)

 tyson選手は東京に住む16歳の高校2年生。e-sports SQUARE AKIHABARA(e-SQU)などで開催されたオフライン大会に出場するほか、オンライン大会では6月29日の国内オンライン大会「第3回 Weekly HearthStone大会」で優勝を遂げています。

 そんなtyson選手は今回の国内予選にどのような思いで臨んでいたのでしょうか。試合後のtyson選手にSkypeで私nemukeとの決勝戦の感想やデッキ準備の方法、本戦出場に向けた意気込みを聞きました。

目次
国内予選の感想と準備
予選出場までの経緯
IEM本戦への意気込み


国内予選の感想と準備


……優勝おめでとうございます。まさか最終戦でForce of Natureが2枚あるとは思いませんでした(笑)。
 ありがとうございます。そうですね、Force of NatureSavage Roarのコンボは揃っていたのですが、2枚目のForce of Natureはトップデッキでした(笑)。単発のForce of Natureで残りヘルスを10点まで削れたおかげで、Earthen Ring FarseerShadowstepで6点回復されない限りは倒せるという状況まで持っていけたんです。


 tyson選手(上)がForce of NatureSavage Roarを使い、優勝を決めた場面

……今回の予選に参加してみていかがでしたか?
 急な告知かつ参加にパスポートが必須だったので、最初は「出場者は全部で3人ぐらいかな?」と思っていたんです。社会人で時間のない方や学生でパスポートを持っていない方は参加できないだろうと。
 ところが蓋をあけてみると出場者が全部で6人(内1人は棄権)もいて、しかもぼくはトーナメントで試合数が最も多いところに入っていました。「これはきついな」と思いましたね。

……breek選手、rizer選手、決勝戦と3回の対戦はハードでしたね。
 ええ。中でもrizer選手との試合では自分のFreezeMageが強いはずのHandlockに負けてしまって、最後のMiracle RogueでHandlockに勝たないといけない状況になったときは「終わったな」と思いましたね。結果的にはそこからMiracle Rogueで2連勝できてよかったです。

……予選で使用する3デッキはどのように決めたのでしょうか? 今回、tyson選手が出場者6人中1人だけMageを使っていたのが印象的でした。
 そうですね。元々ぼくが使えるデッキはMiracle Rogue、Druid、Control Warriorぐらいしかなかったので、予選で使う3デッキはすぐに決まったんです。
 その中でFreeze MageはトップメタのMiracle Rogueのほか、HandlockとZoo Warlockに強く、Druidとも戦えるということで選択しました。でもRankedでRogueは200勝、Druidは300勝しているのに対し、Mageだけは15勝だったんですよね(笑)。「これは登録したくせに使えないぞ」と思い、大会前の練習ではFreeze Mageの対Miracleを徹底的にやりこみました。

……デッキの調整はどのように行なったのでしょうか?
 主にMiracle RogueでLegendaryに到達した方とボイスチャットをしながらFreeze Mage対Miracle Rogueを回して調整しました。7月19日にbarusaさん主催による3対3の大会* がありますが、そこでチームを組んでいる人なんです。今回優勝したことでぼくは19日の大会に出られなくなりましたが(笑)、高いレベルのMiracle Rogueとやったことで、とても良い調整になったと思います。
* 7月19日(土)に第1回Hearthstone barusa杯3vs3トーナメントが開催、参加受付を開始

……ボイスチャットだとプレイ中にも話しやすくてよさそうですね。
 チャットだと面倒で「ま、次のゲームやろう」というふうになりがちですからね(笑)。ボイスチャットだと相手の考えを聞きやすいです。「Miracle Rogueはどういう思考でこのターンを展開するのか」とか、「こちらがFlamestrikeを1発撃ったときに2発目があると読むかどうか」とか。
 結果的に予選は提出したデッキがすべて公開されるので関係はなかったんですけど、たとえば「普通はSinister StrikeがMiracle Rogueに入っていることを読まない」ということもその方に聞きました。なのでぼくのMiracle RogueにはSinister Strikeが入っているんです。


 6月28日のゲーマーズラウンジ内HearthstoneBO3対戦会の決勝戦で対戦するtyson選手

ほかのマッチアップの練習や、参考にしたプレイヤーについては?
 ほかのマッチアップはいろんな人とBO3をやって練習しました。BO3ならその中でDruidやHandlockを使う人も多いですから。逆にRankedはほとんど回しませんでしたね。今Rank12しかないので、PaladinやWarlockしか来なかったんです。Rank4、5なら大会で使われるようなデッキとも対戦すると思うのですが。
 プレイヤーではMiracle Rogueはforsen氏の、Freeze Mageはデッキが違いますがRdu氏の配信を参考にしていました。
forsen氏の配信:Forsenlol
Rdu氏の配信:Radu_HS

予選出場までの経緯


……予選に参加しようと思ったのは何がきっかけだったのでしょうか?
 学校が夏休み…ではないのですが、基本的に夏はやることがなくて暇なんです。何もしないよりは出たほうがいいというのと、来年から高校3年生になって大学受験などで忙しくなりますから「せっかくなら時間があるうちに挑戦したいな」と思って今回の出場を決めました。

……本戦期間中、学校は休みになる?
 いえ、その間学校は最後の一周なんですが、こういった大会は書類を出せば課外活動として公欠をもらえる場合があるそうです。「もし勝ったらなんですけど…」というふうに担任の先生に相談したところ、「レスリングやヨットの世界大会に参加して公欠をもらった人もいるよ」と教えてくれました。IEM本戦が公欠として受理されなければ約5日間の欠席扱いになってしまいますが(笑)。

……ご両親の反応はいかがでしたか?
 両親も「何もやらないよりはいいからやってこいよ」と言ってくれてます。ゲーム活動を応援してくれているわけではないのですが、自分は子供の頃からずっとゲームをやっていましたし、家にいても勉強する性格ではないので、「言ってもしょうがない」と諦めているみたいです(笑)。

……ご家族は大会のことを皆知っている?
 そうですね。ぼくには妹が2人いるのですが、さっき優勝が決まった瞬間に叫んだらその声が聞こえたみたいで、「ほんと?」と声をかけてくれました(笑)。

……学生なのにパスポートをお持ちなのが少し意外でしたが、以前海外に行かれたことがあるのでしょうか?
 去年の夏に家族でカナダに旅行に行ったことがあって、それでパスポートも4年期限が残っています。現地の人と話さないで観光していただけだったので英語の勉強にはなっていないと思うのですが、「空港ってこんな感じなんだ」といった感覚はわかりましたから、IEM本戦に向けて海外経験があるのはプラスになるかもしれません。

IEM本戦への意気込み


……IEM本戦の目標などはあるでしょうか?
 現地ではほかの選手たちと交流して英会話も少しできればいいな、と思っていますが、やはり学生には賞金の20万円が見逃せないですね。数十ヶ月分のお小遣いに相当しますし(笑)、今後の生活にもかかってくるので、真剣に勝ちに行きたいと思います。

……本戦ではどんなデッキを使う予定でしょうか?
 出発が15日で残り1週間もないということで、基本的には予選で使ったデッキを使う予定です。Miracle RogueはいるでしょうからFreeze Mageは入れたいですし、修正を加えたい部分があったのでこれから調整していこうと思っています。Miracle Rogueも入れるつもりですが、HandlockやAggro Hunterなどの対策が少し怖いですね。

 ただ、準備するにしても本戦のフォーマットが告知されていないので何個デッキが必要になるかわからないんですよね…。どんな選手が出るのかとか、何回勝てば優勝なのかといったこともまったくわかりません。さすがに無いとは思いますが、もしかしたらBO1のスイスドローをゴルフのように3日かけてやったりして(笑)。

……現地ではどのように過ごす予定でしょうか?
 宿泊場所がビジネスホテルで無線LANが使えるので、ノートパソコンを持って行って練習しようかなと思っています。ただ、1日だけの練習で劇的に強くなるというものではないですからね。中国にも行ったことがありませんし、調子を崩さない程度に調整しつつやっていきたいと思います。

……ご自身の試合とは別にIEM本戦で見てみたいものはありますか?
 ぼくはもともとCounter-Strikeのプレイヤーだったので、本戦でCounter-Strikeの試合があればプロ選手を生で見てみたいという思いはありました。ただ、公式サイトの採用タイトルにはStarCraft IIとLeague of Legendsしか載っていなかったんですよね…。League of Legendsが今世界的に流行っているようなので、余裕があればそれを見てみようと思います。

……最後に何かあればどうぞ!
 この1ヶ月間、大会で勝つ喜びというのを強く感じました。楽しみでやるのもありだと思うんですが、自分はすでに約2万円課金していますから、お金を使った以上は勝ちに行ったほうがおもしろいと思うんです。なので、皆さんもぜひ大会に参加してみてください。IEM本戦でもぼくは勝ちにいきます。


 4月23日に開催されたe-SQUのオフライン大会で対戦相手と握手するtyson選手(左)

……本日はどうもありがとうございました。

 私自身tyson選手と決勝戦を戦っていて思ったのですが、tyson選手は終始ミスなくプレイする実力と共に多少の運にも動じない冷静さを持っている印象でした。深夜のインタビューにもかかわらずしっかり答えてくれましたし、海外経験もあることから、tyson選手はIEM本戦でも落ち着いた戦いを見せてくれるのではないでしょうか。

 IEM本戦は7月16日~20日に中国・深センで開催される予定で、その中でtyson選手は7月16日~18日のHearthstone部門に出場します。日の丸を背負って戦うtyson選手を皆さんで応援しましょう!

関連リンク
・tyson選手のtwitter:@tyson_HS
Road to masters For IEM(JCG)
・予選トーナメント表:IEM Season9-Shenzhen公式サイト
「ゲーマーズラウンジ #58」内HearthstoneBO3対戦会ベスト3プレイヤーインタビュー(Nemukejp)

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