2014年8月5日火曜日

「多くのトップデッキに恵まれた」WCS台湾地区最終予選優勝tom60229選手インタビュー・デッキリスト

 8月3日に開かれたHearthstoneの世界大会「World Championship(WCS)」台湾地区最終予選の優勝者tom60229選手のインタビューです。
 現在22歳(台湾の年齢では23歳)で台湾の兵役を終えたばかりというtom60229選手に、今回の試合感想や各デッキの特徴について語ってもらいました。


tom60229選手


……優勝おめでとうございます。本戦の出場資格に加えて10万台湾ドル(約41万円)の賞金も獲得しましたね。
 ありがとうございます。本戦行きが決まってすごくうれしいです(笑)。賞金の使い道についてはいろいろと支えてくれた友達にご馳走したいと思いますが、残りは特別やるということもないので貯金しようと思っています。10万台湾ドルというと台北で約3ヶ月間暮らせる金額ですが、今大会は本戦の出場資格を獲得することが最も重要だったので、正直賞金はおまけだと思っています(笑)。本戦行きがすでに決まっていた決勝戦は普段のRankedと同じように気楽にプレイしてました(笑)。

……年齢やHearthstoneのプレイ歴など、ご自身プロフィールについて教えていただけますか?
 兵役を終えたばかりの22歳で、新店区という台北の南部に住んでいます。基本的に台湾だと大学を卒業した男性は仕事を始める前に兵役に就かないといけないんです。学生ではないので、今大会と同じ場所で8月2日に決勝が開催された学生大会の「暴雪AMD夢想聯賽」には出場できませんでした。

 Hearthstoneはオープンベータが始まってしばらく経った去年の10月頃に始めたので、プレイ歴は10カ月ぐらいですね。それまでにDiablo IIやWarCraft III、World of WarcraftといったBlizzardゲームをプレイしていたことがあり、また、「Maigc: The Gatheringを約1年、遊戯王オフィシャルカードゲームを約2年、そしてブリッジを約3年」と、カードゲームを約6年間プレイしていましたから、Hearthstoneを始めたのは自然な流れでした。
 ほかのプレイヤーの状況はわかりませんが、以前にカードゲームをプレイした経験があると共通のシステムが多いHearthstoneでも上達しやすいと思います。

……ということは、Hearthstoneを始めた当時は兵役中だったのですか?
 はい。兵役では「10日間の仕事と5日間の休日」というサイクルを繰り返すんです。「10日間の仕事→5日間の休日→10日間の仕事」という感じですね。なので休みの5日間に集中してHearthstoneをプレイしていました。

……今回の試合について、ご両親の反応はいかがでしたか?
 実はぼくの両親は試合に参加したことについて何も知らないんです。なので今日いきなり「アメリカに行くことが決まった」と行ったら両親はすごく驚くでしょうね(笑)。

……tom60229選手は7月26日の予選でAmaz選手を倒して本大会への出場を決めましたが、世界的に有名な選手と対戦した当時は非常に緊張したのではないでしょうか。
 試合のときはいつでも緊張します(笑)。もちろんAmaz選手を倒したという事実は誇らしくありますが、基本的に試合では誰が相手でも同じ気持ちで臨んでいますので、特にAmaz選手だからどうということはありませんでしたね。


7月26日に台北・士林のネットカフェ「哈哈活力站」で開催されたtom60229選手とAmaz選手による試合動画(00:50:00から開始)


……大会を振り返って、その感想を聞かせてください。
 最初から最後までずっと緊張していました。そして絶妙なトップデッキも多くあって、運にも恵まれましたね。
 一番印象に残っているのは1-2とリードされた状況で迎えたFrozenIce選手との勝者側決勝戦第4試合ですね。ぼくのShaman対FrozenIce選手のMiracle Rogueというマッチアップで、相手が30枚のデッキをすべてドローしておりこれは負けると思っていたのですが、Loathebをトップデッキしたことで逆転できました。
 最後は相手がLoathebを除去しなかったためにAl'Akir the WindlordFlametongue Totemでフィニッシュを決めることができましたが、仮に相手がLoathebを除去していたとしても負けなかったでしょうね。ダメージが足りていませんでしたから。


勝者側決勝戦第4試合は今大会で最も白熱した試合で、tom60229選手がAl'Akir the Windlordでフィニッシュを決めたときは会場からは大きな拍手が巻き起こった

……逆に大会で意外だったことはありましたか?
 ぼくのShamanが大活躍したことですね(笑)。Shamanはいつもメタの中間にいますが、トップクラスというわけではありません。ですからぼくはShamanを信頼していなかったんですが、1回戦と勝者側決勝戦のどちらもShamanが2勝を挙げてくれました(笑)。

 ShamanはDruidなどに比べてカードドローが少ないため、運に左右されやすいと思っています。(Minionのマナカーブが揃っていたり、Spellを引くタイミングといったように)ちょうどいい具合にカードを引ければ強いのですが…。その上Lightning Stormといったランダムダメージのカードがあるのはもちろん、Hero PowerのTotemまでランダムですからね。


今大会でtom60229選手が使用したデッキリスト

……では、ご自身が1番強いと思っているデッキは何でしょうか?
 Road Druidですね。事故が起こりにくく、あまり考えずにMinionを出していくだけで強い(笑)。なので台湾人プレイヤーにはDruidのプレイヤーが多いんです。その点でMiracle Rogueはドローするカード、そして考えることがたくさんあって難しいですね。

……tom60229選手は今大会で1人Paladinを使用していたのが印象的でした。
 ぼくが使っていたPaladinはKolento氏のControl Paladinを基にしていて、Handlock、そしてShamanの対策として選択したものです。相性が悪いデッキはMiracle Rogueで、Druidも少し苦手ですが、そこまで厳しくはありません。ほかのデッキに対しても5分5分に戦えますから、現在とても強いデッキの1つだと思います。

 Paladinの欠点としてはDruidのSavage RoarForce of NatureやRogueのLeeroy JenkinsShadowstepといったフィニッシュコンボが存在しないことですね。それで後半はちょっとやりにくくあります。
参考記事(Hearthpwn):Kolento #1 Legend Paladin


舞台の外で1回戦を戦うtom60229選手

……アドベンチャーモード「Curse of Naxxrasmas」で追加された新カードについてはいかがでしょうか?
 今のバランスは悪くないと思うのですが、Loathebはちょっと強いですね。(単純に性能が高くて)対Miracle Rogueに限らずあらゆるデッキに対して使えてしまいます。ステータスを4/5にするといった弱体化が必要かもしれません。

 また、Nerubian Eggの追加でZoo Warlockが強くなりました。ただ、ぼく自身Zoo WarlockはSoulfireDoomguardが来ないと厳しく、それらのカードが2枚同時に来て両方捨てられる場合もあるので、運に影響されやすいデッキだと思っています。
 Haunted CreeperもZoo WarlockやToken Druid、Shamanにフィットするカードですが、強すぎるカードではありません。
 今のところ何が台頭するデッキかどうか、といったことはちょっとわかりませんが、たぶん、Loathebの影響でMiracle Rogueは弱くなるのかな、と思います。

今大会の準優勝者FrozenIce選手はHunterデッキの台頭について語っていましたが、それについてはいかがでしょうか?
 WebspinnerなどBeastカードの追加で使えるようになりましたね。でも「使えるようになった」というだけでそこまで強くはないと思います。Unleash the Houndsのおかげで対Shamanには強いのですが。

それでは、11月の本戦に向けてはどのように準備されるつもりですか?
 まずはNaxxramasで追加される新カードの研究ですね。特別な練習法というわけではないのですが、友達とBO5の練習をするほか、自分のプレイを見てもらってMiracle Rogueのプレイングを教えてもらおうと思っています。その友達のほうがぼくよりもずっと理解がありますから。


ステージでインタビューに答えるtom60229選手

……ありがとうございました。

 以上、tom60229選手のインタビューでした。デッキに対する考え方のほか、日本にはない兵役制度の生活サイクルがインタビューしていて非常に興味深かったです。11月のWCS本戦でtom60229選手はどんな活躍を見せてくれるのでしょうか。

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