2014年9月29日月曜日

Hearthstone World Championship EU地区最終予選が終結し代表選手4名が確定 Hero別使用率・勝率統計、試合動画、注目デッキをチェック



 9月24日~27日に行なわれたHearthstoneの世界大会「Wold Championship」のEU地区最終予選において、Kaor選手、Numberguy選手、Greensheep選手、そしてKolento選手の4名がEU代表選手の座を獲得しました。

トーナメント表:BlizzCon World Championships - Europe Qualifier Phase 2/Liquidpedia
Hero別使用率・勝率統計:Complete stats/win rates for Phase 2 EU BlizzCon Qualifiers/reddit
試合動画:Blizzcon EU Regionals/HSDream

 それでは、今大会で見られた注目のデータをチェックしてみましょう。

EU地区最終予選まとめ

Hero別使用率・勝率統計
Priestの興隆
DruidとWarlockの変化
New Kolent Druid
Handlock+Lord Jaraxxus
勝率最高のAggro Mage

Hero別使用率・勝率統計


Hero別使用率・勝率統計

 大会終了後にHero別の使用率・勝率統計が有志の手によって投稿されました。いくつか注目のデータを抜き出してみましょう。

Priestの興隆

今大会で使用率が最も高かったHeroはPriestです。Curse of Naxxramasリリース前の不人気はどこへやら、今回のPriest合計ゲーム数は37回(内3回がミラー)で使用率17.3%となっています。

 Priestといえば、9月の中頃から流行り始めたデッキがありました。Magic: The Gatheringの世界的なプレイヤーでもあるKibler選手が自身のサイトで公開(*)したPriestデッキ(Dragon Priest)です。UndertakerDark Cultistといった優秀なMinionで序盤を凌ぎ、後半にYseraMind Controlでアドバンテージを得る形となっています。

(*)記事:I Dream, and the Ladder Trembles – Playing Dragon Priest to the Top of Legend/BMKGaming
和訳:Kiblar’s Dragon Priest/Luna Side Base)

 しかし、今大会のPriestはMinionの代わりにWild Pyromancerで序盤を凌ぎ、ThoughtstealHoly Fireなどで後半戦を戦うデッキが主流となりました。プレイオフの8人に残ったKaor選手やThijsNL選手など、多くの選手がこの型のPriestを採用しています。


左:Kibler's Dragon Priest 右:Neirea's Control Priest

 上の画像右側のデッキはGosuGamer.netで特集されていたNeirea選手のControl Priestです。Neirea選手のデッキで特徴的なのは1枚入っているSilenceでしょう。かつて「カード1枚損になる」として避けられてきたこのカードも、Sludge Belcherを筆頭とした優秀なDeathrattle持ちMinionの使用率上昇により、「0マナでテンポを獲得できるカード」として評価を得つつあります。

Priestの試合動画(HSDream)

Innumberguy vs. Neirea — Blizzcon EU Regionals / Group A /(Game3から)
Max vs. Neirea — Blizzcon EU Regionals / Group A(Game2から)
Kaor vs. Mr.Yagut — Blizzcon EU Regionals / Qualifying Matches/HSDream(Game2から)
Kolento vs. ThijsNL — Blizzcon EU Regionals / Qualifying Matches/HSDream(Game1から)

DruidとWarlockの変化

使用率第2位、第3位はいつも大会で高い人気を誇るDruidとWarlock(Handlock)になりました。ゲーム数はそれぞれ34回(内3回がミラー)・使用率15.9%と27回(ミラーマッチなし)・使用率12.6%となっています。

 使用率トップのPriestですが、実はこの2Heroには2-6(対Druid)、2-5(対Warlock)と大きく負け越しています。DruidにはWild GrowthからのパワフルなMinionに力負けしてしまうこと、WarlockにはPriestに1ターンで大ダメージを与えるコンボが少ないために残り少ないヘルスを削りきれないことがその理由でしょうか。
 DruidとWarlockのデッキにも新しい環境を考慮して、より長期戦を意識した構成になっているようです。今大会で使われた代表的なデッキを見てみましょう。

New Kolent Druid

これまでの代表的なDruidのデッキは8月末にKolento選手がVGVN 2 Tournamentで優勝したことで広まった「Kolento's Druid」です。
 Echoing OozeSpectral Knightといった場持ちの良いMinionを並べて相手のヘルスを削り、2枚のForce of NatureSavage Roarコンボで止めを刺すという攻撃的なこのデッキは、HunterとLeeroy Jenkins
の流行で展開が速かった旧パッチの環境とよくマッチしていました。
 
 しかし9月22日にHunterとLeeroy Jenkinsの修正が適用されると、環境はより遅い展開へと移行。Aggroデッキが減ったことでDruidにも遅いカードを入れる余裕が出てきました。


左:Kolento Druid 右:New Kolento Druid

 今大会でKolento選手が使ったのが上の画像右側のデッキです。2枚のフィニッシュコンボやSpectral Knightといったデッキの基礎はそのままに、序盤のMinionを抜いてWild GrowthCenariusといった後半戦向きのカードを増やしています。

 動き出しが遅い割に守りのカードがほとんど入っていないのでAggroデッキは苦手ですが、マナ加速後の爆発力には目を見張るものがあります。また、Silence能力の価値が高い今環境において、利便性の高いKeeper of the Groveが使えることも大きなメリットです。

Druidの試合動画

Kolento vs. Thefishou — Blizzcon EU Regionals / Group D /HSDREAM(Game1から)
Kolento vs. Thefallen — Blizzcon EU Regionals / Group D /HSDREAM(Game1から)

Handlock+Lord Jaraxxus

 HandlockにもControlを意識した調整が見られます。右側のデッキは9月21日にLeeroy JenkinsStarving Buzzard禁止ルールで行なわれた大会「Prismata Cup 2」でKolento選手が使用したHandlockです。

 24点ダメージの「Arcane GolemPower Overwhelming×2+Faceless Manipulator」といったフィニッシュコンボの代わりにSiphon Soul2枚とLord Jaraxxusが入り、「相手を息切れさせて勝つ」ことが目標にしたデッキとなりました。

 中でもヘルスを15点まで回復し、Hero PowerのINFERNO!で毎ターンカードを消費することなく盤面に6/6のInfernalを呼び出せるLord Jaraxxusは遅い環境にふさわしいカードと言えるでしょう。

また、今大会で印象的だったのはThefishou選手のAggro Mageに対し終盤でヘルスを回復する手段として使われたことです。このことから、今回のHandlockは「フィニッシュコンボが入ったデッキに比べてAggroへの対応力が上がっている」というふうにも考えられますね。


Lord JaraxxusでAggro Mageのフィニッシュ圏内から離脱した場面

 ちなみにMirror EntityでコピーされたLord Jaraxxusは盤面に出ます。ちょっとしたトリビアでした。

Warlockの試合動画

Kolento vs. Thefishou — Blizzcon EU Regionals / Group D /HSDREAM(Game3から)
Kolento vs. ThijsNL — Blizzcon EU Regionals / Qualifying Matches /HSDREAM(Game2から)

勝率最高のAggro Mage

ここでHero別の勝率を見てみましょう。

順位 Hero 勝率
Mage: 63.6%
Warlock: 59.3%
Druid: 58.1%
Priest: 52.9%
Warrior: 47.6%
Shaman: 43.5%
Paladin: 42.3%
Hunter: 40%
Rogue: 28.6%

 使用率トップのDruid、Warlock、Priestが上位に入っているのは頷けますが、実はここで63.6%というぶっちぎりの勝率を出しているのはなんと、使用率ワースト2位のMageだったのです。

 その立役者となったのが右側のThefishou選手のAggro Mageでしょう(#RoadtoBlizzCon Europe day two full recap with VODs and Thefishou's aggro mage/GosuGamers.netより)。

 遅くなった環境において、誰も予測していなかったこのスーパーAggroデッキはグループステージで5-1という圧倒的な勝率を叩き出しました。Aggro Hunterなどと比較したこのデッキの特徴は「Mirror EntityChillwind Yetiといった相手が守りに出してきたMinionをコピーし、返しのターンにそれで殴ることができる」点です。これによってDruidなどの「動き出しが遅く、後半を大型のMinionで守る」タイプのデッキには絶大な威力を発揮します。

 デッキの亜種としてはrl_BrooklynというユーザーがHearthpwnに投稿したArchmage AntonidasSludge Belcher入りのAggro Mage(Hyper Aggro but better guide - EU Regionals)があります。rl_Brooklyn氏はガイド内で「スーパーAggroを誰も予期していなかったEU地区最終予選ではThefishou選手のデッキが効果的だったが、通常のLadderではガス欠を防ぐためにArchmage Antonidasのようなカードが必要になる」としています。

Mageの試合動画

Lifecoach vs. Thefishou — Blizzcon EU Regionals / Group D /HSDREAM(Game1から)
Kolento vs. Thefishou — Blizzcon EU Regionals / Group D /HSDREAM(Game1から)

Mr.Yagut's Spell Hunter

9月22日の修正後、Unleash the HoundsStarving Buzzardという強力な除去がなくなったHunterは盤面で相手にリードされてからの挽回が非常に難しくなってしまいました。
 今大会使用率最低(5回、2.3%)かつ勝率ワースト2位(40%)というところに、その影響が現れています。

 そんな中、Hunterに新しい活路を見出そうとしていたのがプレイオフの8人に残ったMr.Yagut選手です。HunterにはFlareHunter's Markといった低コストのスペルが多いことを利用してViolet Teacherを投入し、
さらにはAzure DrakeMulti Shotを加えてスペルと範囲ダメージの手段も増やしています。


Ancient of Warの前に立ちふさがるViolet Teacher。手札にはHunter's Markがある

 Kaor選手との試合ではPriestに負けてしまったものの、今後新しいControlタイプのHunterとして研究が進んでいくかもしれません。ちなみにControl Hunterの例としてはMaxbroというユーザーがHearthpwnに投稿したもの(Rank 6 to legend in 2 day using control hunter)があり、こちらはWild PyromancerAcolyte of PainStarving Buzzard不在のドロー分を補っています。

Spell Hunterの試合動画

Kaor vs. Mr.Yagut — Blizzcon EU Regionals / Qualifying Matches/HSDREAM(Game1から)

情報元

トーナメント表:BlizzCon World Championships - Europe Qualifier Phase 2/Liquidpedia
Hero別使用率・勝率統計:Complete stats/win rates for Phase 2 EU BlizzCon Qualifiers/reddit
試合動画:Blizzcon EU Regionals/HSDream
特集記事:
Analysing Hearthstone World Championships EU Qualifier Day 1/GosuGamers.net
#RoadtoBlizzCon Europe day two full recap with VODs and Thefishou's aggro mage/GosuGamers.net

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