2014年10月14日火曜日

コンパクトでオフラインイベントにも持ち込みやすい。パンタグラフ方式のゲーミングキーボード「BFKB113PBK」レビュー

株式会社ビット・トレード・ワン」は10月3日(金)に同社のブランド「ビットフェローズ」からパンタグラフ方式のゲーミングキーボード「BFKB113PBK(販売価格約5400円)」を発売した。この製品版サンプルを9月下旬にビットフェローズから送っていたただいたので、以下にそのレビューを掲載する。

BFKB113PBKを置いた私nemukeのデスク(画面はHeroes of the Storm)
製品情報ページ:BFKB113PBK/Bit Trade One, LTD

目次


BFKB113PBK外観


BFKB113PBKのパッケージにはキー配列のイラストと共に「Nキーロールオーバー 複数同時押し対応」の文字が目立つ


パンタグラフ方式やNキーロールオーバーなどの特徴が記載されたパッケージ背面


蓋を開けてもキー配列イラストが1枚入っている


指紋や埃が付かないよう、キーボードはポリ袋に加えてテープで包装されている


BFKB113PBK外観


裏面の4隅には滑り止めラバーがあり、脚を畳んだ状態で机に置けばほとんど動かない


折りたたみ式の脚はラバーコーティングされていないので安定性は落ちるものの、脚を立てた状態でもタイピング中にキーボードが動いてしまうことはなかった


キーの印字はひじょうにくっきりしている


テンキーの上にある4つのキーがBFKB113PBKオリジナルのボリュームコントールキーとWinLockキー


左上にはビットフェローズのブランドロゴが輝く


ケーブルの長さは約1.8mで取り回しが効きやすい

黒のボディに内部基盤の赤が映える美しいデザイン

BFKB113PBKを手にとって私が最初に感じたのは「とてもスタイリッシュでかっこいいキーボードだ」ということだった。
開発者の梅村匡明氏は4gamer.netによるインタビュー記事の中で「黒を基調にして,“中二病”を煽るだけ煽っていくスタイルはもうちょっとイヤだなあ」と語っていたのだが、やはり外観は製品で最初にユーザーに届くポイントである。ひじょうに重要なポイントだ。

BFKB113PBKの包装はシンプルだが、外観はパンタグラフの薄さと「艶有りの黒に内部基盤の赤」というカラーリングがマッチしている。とてもスタイリッシュな印象だ。「指紋が目立つようになる」という意味で艶無しを好むユーザーもいるかもしれないが、デザインを売りにした製品なら、艶有りのほうが店頭やオフラインイベントで目立つからコンセプトに合っていると私は思う。高級感があり、「思わず触ってみたくなってしまう」キーボードである。


普段私が使っているCherry製茶軸スイッチ採用ゲーミングキーボード「ZOWIE CELERITAS(上)」との比較 デザインの違いは一目瞭然

一般的な形状のキーボードと比べるとデザインの違いは一目瞭然だ。私が普段使っているゲーミングキーボードの「ZOWIE CELERITAS」はCherryの茶軸スイッチが軽くて使いやすいのだが、外観は鉄の塊のようで無骨である。一方でBFKB113PBKの外観はひじょうに洗練されているから、ホワイトやピンクといった明るい配色でも販売すれば女性に人気が出そうである。

押下特性60g±20gの重さでミスタッチの心配が少ない

キーボード使用感のレビューに移ろう。以前プロとしてStarCraft IIをプレイしていたときに私がもっとも重要視していたのは、「軽く、どの指でどのキーを押しているかがわかり、かつ、キーを押し間違える(誤爆する)ことがない」ということだった。

たとえば東プレ製の人気の高級キーボード「Realforce(販売価格約1万5000円)」は、キーを押すと床が抜けたように「スコッ」と入力される感触に大きな特徴がある。しかし、私が使用していたDHARMAPOINTのRealforceOEM製品「DRTCKB91UBK」は、30gの加重をかけただけでスイッチが入るため(30gの押下特性)、あまりにも軽すぎて、「離れた場所のキーを押そうと左手を移動させたとき」に「途中で触れたキーが反応してしまう」ことがあった。

ゲームにおけるキーの誤爆は、単に誤爆しただけに終わらず、それを修正する操作が必要になる。何もしないよりも悪いのだ。修正可能な範囲ならまだしも、「数分に1度しか使えない強力なAbility」を誤爆してしまったら致命傷になってしまう。その点でBFKB113PBKは押下特性が「60g±20g」あって、「シリコンゴムの弾力感」が入力の際に指に伝わるので誤爆の心配はなさそうだ。


押下特性60g±20gのBFKB113PBKはキー1つひとつに安定感がある

軽さについて言えば、60g±20gという押下特性はキーボードとしては硬い部類に入る。しかし2.5mmというキーストロークの浅さのおかげで「入力後PCに反映されるまで」が速いので、体感的には軽やかに入力できる。

グラつかず安定したキータッチ

ほかのパンタグラフキーボードと比べてみよう。「Logicool Keyboard K120(販売価格1000円)」はコストパフォーマンスに優れる製品として人気を博しているキーボードだ。私のK120は「今年の8月に台湾取材に行ったところ持ち込んだBluetoothキーボードが認識されなかったため現地で急遽調達した」ために台湾版の配列・表記となっているが、内部構造に違いはない。


Logicool Keyboard K120(上)とBFKB113PBK(下)

「キートップがまったくグラつかない」という点もBFKB113PBKの特徴だ。「約2000万回押下のスイッチ耐久性」を謳っているだけのことはある。安価なパンタグラフキーボードにありがちな「触れたキートップがグラついてしまい、挙句の果てにはキーが外れてしまう」といった心配をまったく感じさせない。

K120もグラつきは少ないほうであるが、キーを押すとき「中央と4隅で打鍵感が異なる」という点が気になっていた。その点、BFKB113PBKはどこから押してもほぼ一定の打鍵感で入力できる。単純に「質の高いパンタグラフキーボードがほしい」という要望にも応えられる製品となりそうだ。

コンパクトな形状でオフラインイベントにも持ち運びやすい

ゲームプレイ以外の面でのパンタグラフ方式のメリットも挙げておきたい。それは、「コンパクト故に持ち運びが容易」であること。
ZOWIE CELERITASとBFKB113PBKを比べると、重量はZOWIE CELERITASの「1.6kg」に対してBFKB113PBKは「830g」と約半分で、寸法は「縦50.6×横23.4×高さ7.8cm」に対して「縦44.7、横14.1、高さ2.4」と、高さ(厚み)が3分の1に抑えられている。

カバンのスペースを圧迫しない薄さなのでオフラインイベントにも持ち込みやすい。これはパンタグラフ方式の大きなメリットだと思う。e-sports SQUARE AKIHABARAやネットカフェといった施設で開催されるイベントに参加する場合はもちろん、「ノートPCごと持ち込む」という場合にも、備え付けのキーボードは打ちにくいことが多いから、そこでコンパクトなBFKB113PBKがあれば快適にゲームをプレイできるのである。

実際に私もBFKB113PBKを縦約50、横約35cmの「Blizzardバッグ」に入れてオフラインイベント「第1回ゆるふわHearthstone会(10月5日開催)」に持ち込んでみた。以下はその写真である。


Blizzardバッグとの比較。ちょうどいいサイズ


私が旅行時などキーボードを持っていくときによく使っているプチプチのカバーでくるんでみた。ZOWIE CELERITAS用だったのでオーバーサイズだが、これでもバッグには入る


包装後に入れてみた形



キーボードを入れたバッグを背負った姿。BFKB113PBKの薄さがよくわかる



オフラインイベント「第1回ゆるふわHearthstone会」に持ち込んだ様子

11インチのタブレットと。スタイリッシュなデザインがタブレットの薄さとマッチしている

このように、パンタグラフ方式のキーボードならオフラインイベントにも持ち込みやすい。ニッチな需要かもしれないが、メーカーのマーケティング手法としては「持ち運び用のカバーを製品につけてオフラインイベントでの使用を推薦する」というのも有効なのではないだろうか。

質の高いパンタグラフを求める方や女性の方にお勧めしたいキーボード

以上、デザインの美しさ、キーの軽さと安定感、オフラインイベントにおける利便性という観点からBFKB113PBKをレビューしてみた。
「質の高いパンタグラフキーボードがほしい」というゲーマーの方、「ゲーミングキーボードがほしいけど無骨なデザインがちょっと」という女性の方や、「オフラインイベントにも持ち運びやすいゲーミングキーボードがほしい」という方々にぜひお勧めしたいキーボードである。

関連リンク

製品情報ページ:BFKB113PBK/Bit Trade One, LTD
購入サイト:ビットフェローズ BFKB113PBK価格.com

BFKB113PBKが生まれた背景

なお、最後になるがBFKB113PBKが生まれた背景にも触れておこう。開発者の梅村氏はかつて「DHARMA POINT」という国産のゲーミングデバイスブランドで開発担当として既存の概念に囚われない製品や企画を次々と打ち出していた人物である。

日本人の手のひらに合わせた形状のマウスで光学式・レーザー式センサー両方のモデルが発売された「DRTCM37・38」、各ジャンルのプレイヤーが求める究極のマウスを製作する「カスタムマウスプロジェクト」、さらにはゲーミングキーボードとしては珍しくメンブレンスイッチを採用した「DRTCKB109UP1」など、その当時私もStarCraft IIのプレイヤーとして開発協力をさせていただいた。


nemukeカスタムマウス製作過程

「電気信号で入力を判定しているメカニカルスイッチと違って、メンブレンスイッチは物理的な構造(キー内部の上下の膜が接触するかどうか)で入力を判定しているから、『キーを押した情報がPCに反映されるまで』の挙動が人間の感覚と一致しているんですよ。体感的にはメンブレンのほうがメカニカルよりも軽やかに入力できるようになります」と梅村氏がスイッチ構造の違いについて語っていたことを思い出す。梅村氏の言葉1つひとつにデバイスに対する思いがにじみ出ていて、開発者としての「職人魂」を感じたものだった。

ところが、DHARMAPOINTは2013年10月頃に主要メンバー全員が退職し、事実上の終焉(DHARMAPOINTの主要メンバー全員が退職。ブランドは事実上の終焉/4gamer.net)を迎えてしまう。「おれたちのDHARMAPOINTはこのままなくなってしまうのか!」と国内ファンが嘆きの声を上げる中、梅村氏が入社して新たなゲーミングブランドとして打ち出したのが株式会社ビット・トレード・ワンのビットフェローズだった。(このあたりの流れは4gamer.netの記事「元DHARMAPOINTの梅村氏に聞くこれまでとこれから。新しい場所で氏が目指すデバイスの姿とは」に詳しく書かれているので、興味のある方はぜひチェックしてほしい)

つまり、今回紹介したパンタグラフ方式のキーボード「BFKB113PBK」はビットフェローズが手がけた第1作目なのである。

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