2015年6月17日水曜日

PHONETAP「僕がどのようにしてESLで勝利したか」

 6月7日に「ESL Legendary Series Season 2 - Finals(ESL Season 2 Final)」で優勝したPHONETAP選手。6月13日に試合の心境やデッキ選択の理由を綴った参戦記をredditに投稿しました。以下はその和訳です。

※元記事は2015年6月13日に書かれたものであり、現在の環境とは沿わない点もあります。ご了承ください。
※日本語として読みやすくするため、意訳していたり、補足を加えたりしていることがあります。

目次

紹介

 こんにちは、僕の名前はクリストファー "PHONETAP" フイン。Hearthlyticsのメンバーで、6月7日にESL Season 2 finalで優勝しました。

僕の物語

 僕が参加登録したとき、「ESL Last Chance Open」は2014年のWorld Championship予選の第1フェイズ以来で「最も強力なプレイヤーが集う大会」であることに気付いた。

 僕はESL Season 2 Finalへの出場権を手にしようとこれまでにないぐらい決意した。勝つことに必死で、強力なトレーニングプロセスを通して全マッチアップとマリガンを学んだ。これによって予選に臨む自信が備わった。

 大会でプレイすることについて、僕はいつもひじょうに緊張する。でもこれは皆が思うほど悪いことじゃない。僕の場合、緊張していればより慎重に、より批判的に自分のプレイを考えられる。「緊張していること」は、僕の考えでは「用心深くなること」と同じことだ。僕は大会に次のような精神で臨んだ。「自分はベストのプレイができる。それでカード運が無かったら、それは運命だ」。

ESL Last Chance Open

 大会日、僕は組み合わせ更新の数時間前に起床して準備した。4勝し、トップ8に入る。そこで僕はオフライン決勝出場権をかけた試合でDomdusと相まみえ、2-3の接戦の末敗れた。

 僕は大会の最終戦にいた。1勝すればオフライン確定とはいえ、敗退してもおかしくない。

 対戦相手はTooWetだった。1度ならず2度もESL Legendary Series出場を決めた強豪だ! 彼の3デッキは僕に対し有利だったが、僕は3-0で勝利した。彼のFace Hunterは常に、リーサルまで数点足りなかったようだった。

 僕はやった。僕は勝った。オフライン決勝への出場権を獲得し、すぐさまできるだけ多くの人たちに知らせた。僕の両親と練習グループも含む。喜びと安堵が入り混じった心境だった。

フライト

 続く週で、僕は膨大な時間を練習グループでの準備に費やした。僕にとって、これがHearthstoneのe-sportsシーンにおけるチャンスであることがわかっていたからだ。

 トーナメント日程が迫るにつれ、僕は少しずつパニックになってきた。結果として僕は心理的に「準備している」と感じるための行動を取った。僕はeSportsチーム「Hearthlytics」に入り、僕の試合を支えてくれることを期待した。

 これは僕にとって初めての単独のフライトだった。自分の国を離れ、全く別の場所を尋ねる初めての経験でもあった。「プロのe-sportsの旅」の感覚を味わえることに、僕はとてもワクワクしていた。僕は空港で自分が成し遂げたことについて、いまだ経験したことのない種類のプライドを感じていた。「組織が旅費を払ってくれる」ことは、僕にとって言葉にできないぐらいすばらしいことだった。

 火曜日の夜に僕はカリフォルニア州バーバンクに到着し、チームマネージャー、そして長年の友人のKabiと会った。僕らはその日の残りをデッキの仕上げに費やした。Kabiと僕は大会でデッキ選択を共有した。力強いMech Shamanと強力なMidrange Hunterだ。僕はクラス選択、デッキリスト、そしてテックカードについてどんなミスもしたくなかったから、締め切りギリギリまで粘ってから提出することを選んだ。神経が高ぶっていた。そしてデッキ提出は残念なことに、僕に何の安心感ももたらしてはくれなかった。

大会初日

 トーナメントの初日、僕はKabiがグループステージを突破してくれるように期待し、また興奮して試合を見ていた。彼は2-0で勝利したが、そこからMech Shamanが連続でやられてしまった。

 悪夢だった。僕らはデッキが安定感に欠けることを理解しており、Kabiはドローに少し運が無かった。間接的に、僕はKabiの敗北に責任を感じていた。僕がそのデッキを使うよう強く提案したからだ。これは今大会で僕が感情的に最も落ち込んだ瞬間だった。KabiがMech Shamanで負けたのを見て、僕の自信は崩れ去った。

 翌日僕は自分のデッキ選択について、かつてないほど不安な気持ちで過ごした。

大会2日目

 大会2日目は僕のグループをプレイする日だった。僕は金曜の夜にチームマネージャーから「自分の最初の試合は配信外になる」ことを告げられていた。

 僕のことを知っている人なら、「僕は直面した問題の良い点を見る傾向がある」ことに気付くだろう。最初、僕は「配信に多く映らない」ことを心配していた。しかし「配信外になることで最初の試合のプレッシャーが減り、よりよいプレイができる」と気付いてからはすぐにその不安は消えていった。仮に僕が負けたとしても、僕は敗者側の配信試合を通して3日目まで勝ち残ることができただろう。

 ともかく、僕は3-2の接戦でSilentStormに勝利した。自信を取り戻すため、僕にはこの勝利が必要だった。

 次の試合の相手は尊敬するLifecoachだった。僕は自分のデッキリストが彼に有利だと感じたので、僕はいくらかの自信を持って試合に臨めた。

 僕にとっては、ライブイベントで配信される初めての機会でもあった。僕はESLが用意したような、選手席でプレイする経験が全く無かった。僕らは表情をカメラで映された。キャスターとファンの声が聞こえないよう、選手席にはホワイトノイズがやかましく響いていた。これは多くのプレイヤーを邪魔するかもしれない。

 しかし、僕は気に入った。集中し、僕のゾーンに入るのを助けてくれたからだ。Lifecoachは2-0でリードし、僕は3-0で負けることを恐れた。僕はどうにかスコアをタイに戻したが、Druid対決で失敗し、3-2で試合を落としてしまった。

Hearthstone - Lifecoach vs. Phonetap - ESL Legendary Series Season 2 Finals - Group D Winners Semi

 続く敗者側トーナメント、SilentStormとの再戦は最初と同じように進み、3-2での勝利となった。

Hearthstone - Phonetap vs. SilentStorm - ESL Legendary Series Season 2 Finals - Group D Losers Semi

 僕はやった。僕はLANのトップ8に残った。僕がやりたかったことの全てはグループから抜け出ることだった。過去の全ては些細なことになった。

その夜、僕はチームマネージャーたちと極上のステーキのディナーを取り、残りの時間は練習グループと共に理論構築やほかの8プレイヤーの動画を精査することに費やした。

僕は彼らのクラス選択、アーキタイプ、そしてテックカードを全て知りたかった。Xixoは時間を取り、僕がほかのプレイヤーのデッキ選択傾向を学べるよう助けてくれた。これが対Roger戦での勝利に繋がった。試合の最初にDruidで勝ち、ミラーを避けることができたから。

最終日

 3日目こと最終日はオフラインTop8の試合だ。僕は日曜の朝に起き、即座に頭の中で昨夜学んだことの復習を始めた。僕がスタジオに到着したとき、「このすばらしい経験は今日が最終日なのだ」ということを悟った。僕はスタジオを見回す時間を少し取り、できるだけ多くイベントをこの目に焼き付けた。

 僕はFrodanが試合後インタビューを行うエリアを見た。そして自分にこう言い聞かせた。「もし僕がここに立てたとしたら、それなりにしっかりした受け答えをしたい」。

 僕はRogerに3-2で勝った。そして、長期に渡り自信を後押ししてくれるものを得た。彼はすばらしいプレイヤーだからだ。

Hearthstone - Roger vs. Phonetap - ESL Legendary Series Season 2 Finals - Quarter Finals

 僕の次の試合の相手はDemigodで、僕には実行に移す計画があった。結果として試合を2-0でリードすることができた。残るはMech Shamanによる勝利だ。僕は次の2戦を落とし、最後はMech Shaman対Freeze Mageとなった。

 悪夢が始まった。最終戦の途中、僕はFel Reaverをプレイし、彼は僕のデッキをすべて焼きつくした。最終日で最も恐ろしい瞬間だった。

 幸いにも僕はFel Reaverを出す前にLoathebをドローしており、相手がAlexstraszaを僕のヘルスを使った後、試合をものにすることができた。

Hearthstone - Phonetap vs. Demigod - ESL Legendary Series Season 2 Finals - Semi Finals

 これは正式な大会だった。僕は決勝でReynad対Kitkatzの勝者を待っていた。プレイヤーのビューイングルームに座ってTwitterを見ると、ネット上で送られた応援の量に圧倒された。Twitterのプロフィールをクリックすると、思わず目を疑った。その日の始めに比べ、フォロワー数がほぼ倍になっていたからだ。

 これは僕にとって衝撃だった。皆が「僕がいったいどんな人間なのか」、もしくは「僕が今何をしているのか」を気にしているように見えたからだ。

勝利

 最終戦が近づくにつれ、Reynadというビッグネームを相手にすることについて僕は最高に緊張していた。考えることができたのは、「自分にできる最高のプレイをしよう。そしてカードが僕に向いているかどうかを見よう」ということだけだった。

 Reynadに3-1で勝利し、1万ドルと100 WCSポイントを獲得したのは僕の人生の中で最高の経験だった。

 僕は喜びでいっぱいだったが、僕は試合後のインタビューエリアに行くとき、ここまで支えてくれた人たちへの感謝を思い出すようにした。支えてくれた人たちへの感謝を示すこと、それが僕にはとても重要だった。彼ら無しには僕はここまで来られなかったからだ。

Hearthstone - Reynad vs. Phonetap - ESL Legendary Series Season 2 Finals - Grand Final

大会のメタを予測する

 競技Hearthstoneにおいて、最も広く知られているのは「今最強のデッキはWarriorとHunterだ」ということだ。両クラスにはPatron Warrior、Midrange HunterまたはHybrid Hunterという恐ろしく安定したデッキがある。加えて、Control WarriorやFace Hunterといった強力な別のデッキバリエーションもある。僕は選手たちの傾向の研究し、彼らが最近のトーナメントで何を持ってきたのかを調べた。トップはHandlockとDruidだった。ほかのクラス(Rogue、Paladin、Mage)は比較的少ないことが予想された。

戦術について

 「何が最も人気なのか」を知ったことで、僕はそれらのデッキに強い3デッキを揃えるようにした。僕が学んだのは「Hunterをカウンターするデッキはほかの3つの人気のデッキに弱い」ということだった。結果として、僕はWarrior(PatronとControl両方)、Handlock、Druid(Midrange Combo)を対策する行動に出た。

 キーポイントは「Zoo Warlockはほかの3クラスの人気に押されて大会ではあまり見られないだろう」ということだ。結果として僕は「Zoo Warlockの不在」を利用するべくデッキを調整した。

 最も重要なのは、僕が「絶対的に使いやすく経験の多いデッキ」を持ち込みたかったということだ。あるデッキは強すぎて、大会に持ち込まない選択はありえないかもしれない。しかしプレッシャーがかかる対戦では、常に最適な選択を行うのが難しいことを僕は知っていた。

 結果として、僕はデッキパワーよりも経験豊富で使い慣れているデッキに重点を置いた。大会で使う3デッキは全マッチアップで使い慣れており、マリガンも熟知しているものであるべきだ。

テックカード

 僕の戦略はWarriorに強くありたかった。結果として、僕は武器対策カードをデッキに多く入れた。中でも強力なのはHarrison Jonesだ。

 僕は武器対策を入れたデッキでも、ほかの人気のクラスに有利でありたかった。武器対策を入れたことがほかのマッチアップを悪くしすぎないように。

用意した3デッキ

Hunter

 Midrage Hunterは僕が最も自信を持っている選択だ。ラダーとトーナメント両方でものすごい時間かけて成功を収めてきたデッキだからだ。チームメイトのJABのMidrange Hunterによる最近の成功(#1 NA、#8 EU)を見て、僕は「Explosive TrapHarrison Jonesに変える」という選択に自信を持った。

Explosive TrapHarrison Jonesに変えるのは、対Aggroでない限りExplosive Trapはそれほど有効ではないからだ。僕がマッチアップを強くしたいと思ったのはMidrange、Combo、もしくはControlタイプのデッキだ。Harrison Jonesを入れることで、HandlockとDruidのマッチアップを壊さずに僕はPatron Warrior、Control Warrior両方への勝率を上げられると思っている。なぜならExplosive TrapもHandlockとDruidにはHarrison Jones以下の活躍しかしないからだ。

 加えて、Zoo Warlockの減少を予想していたことで、Explosive Trapの必要性も減った。

Druid

 Midrange Druidは僕が大会で最も成功を収めてきたデッキだ。Druidは悪い位置にあったとはいえ、僕はこのデッキを使い慣れており、また「WarriorとHandlockに強くする」という僕の戦略にもフィットするものだった。Acidic Swamp OozeHarrison Jonesをセットで入れるのはAmazがNA WC予選で2位になったDruidに影響されたものだ。僕は「Zombie Chowの代わりにAcidic Swamp Oozeを入れ、Warriorの要となるDeath's biteを潰す」という考え方が気に入った。Patron Warriorがコンボを決める前に有効だからだ。

 僕はまた、これらのテックカードを入れてもなお、DruidはHandlockに対して有利だと思っていた。

 Midrange Druidはまた、Harrison JonesKezan Mysticといったテックカードを入れたデッキを潰してくれるデッキでもある。

Shaman

 Mech Shamanは僕の選んだデッキの中で最も評価が分かれる選択だった。大会にMech Shamanを持ち込んだのは2人だけだった。しかし、「Patron及びControl Warrior、Handlockに強い」という戦略にフィットしていたとはいえ、個人的にはDruidのほうが疑問の残る選択だったと思う。

 またMech Shamanは予想で4番人気となるデッキ、Druidに対し有利なデッキだった。僕はこのデッキが好きだった。Combo Druidのように、マナカーブに沿ってミニオンを展開できれば止まらないし、CrackleLava Burstでものすごいバーストダメージを叩き出すことができる。 間違いなく僕をハラハラさせてくれたデッキではあるが、最終的には良い仕事をしてくれた。

終わりに

 僕はイベントを作り、スタジオまでプレイヤーを招待してくれたESLに感謝したい。彼らはすばらしいイベントを作り、プレイヤーに活躍の舞台を与えるべく懸命に努力していた。暖かく迎えてくれ、僕がHearthstoneのコミュニティが好きな理由を思い起こさせてくれたプレイヤーの皆にありがとう。Twitterで僕を支えてくれた皆さん、ありがとう。皆さんの送ってくれた暖かい言葉に対し、僕は感謝すると同時に恐縮している。

 何よりも、僕はHearthlyticsの皆に感謝したい。JAB、Muzzy、javasocute、koroneko。そして僕の練習チーム「Under the Radar」のAzuzu、Fake、Hoarth、Kabi、Razor、Thunderbuddy、Xixoだ。彼らは戦略を練り、どんなデッキを使うべきか、全デッキのマリガンについて助けてくれた。また、Thunderbuiddy Gamingに対しても一言述べたい。大会前に、僕は最高の戦績をThunderbuddy Gamingの元で行うことができた。

 Under the Radarについてもう少し。チームメンバーを募集するKabiのreddit投稿に返事するまで、僕はただHearthstoneをプレイするのが好きなだけだった。Under the Radarの皆が僕を迎え入れ、ゲームについて教えてくれた。僕は皆が好きだ。皆さんは僕の人生を永遠に変えてくれ、僕の最も近しい友人となり、僕を今日のようなプレイヤーにしてくれた。だから、ありがとう。:)

 もしデッキやその他のことについて質問があればここで聞いてほしい。僕はがんばって皆の質問に答えたいと思う。僕は定期的に配信しているし、僕のTwitterをフォロー。

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